ブリの刺身に白い糸みたいなものが見えたことはありませんか?
実はこれ、ブリ糸状虫というものなんです。
見た目は少し気持ち悪いかもしれませんが、人体には無害。
ただ、他の魚介類には注意が必要な寄生虫もあるんです。
今回は、ブリ糸状虫の基本知識から、気をつけたい寄生虫、そして魚を安全に食べるコツまで、ママやプレママの不安を解消する情報をお届けします。
ブリ糸状虫に関する基本知識
ブリやハマチを食べる際に気になる「ブリ糸状虫」について、詳しく解説します。
その正体や寄生しやすい時期、天然魚と養殖魚の違い、そして食べても大丈夫なのかどうかまで、ママやプレママの不安を解消する情報をお届けします。
ブリ糸状虫とは
ブリ糸状虫は、ブリやハマチなどの魚の筋肉や体腔に寄生する寄生虫の一種です。
見た目は赤みがかった糸状で、長さは5〜50cm、太さは2〜3mmほどになります。
魚の身の中に潜んでいるため、調理時や食事の際に発見されることがあります。
この寄生虫は、ブリやハマチの成長過程で自然に体内に入り込むもので、魚の生態系の一部といえます。
ただし、見た目のインパクトが強いため、初めて目にすると驚いてしまう方も多いでしょう。
寄生しやすい時期
ブリ糸状虫の寄生率は、季節によって変動します。
これは、水温が上昇する時期と一致しています。
水温が上がると、ブリ糸状虫の活動が活発になり、魚への寄生も増加するのです。
一方で、冬季になると水温が下がるため、寄生率も低下する傾向にあります。
このような季節変動を知っておくと、魚を購入する際の参考になりますよ。
ただし、完全に寄生を避けることは難しいので、適切な対処法を知っておくことが大切です。
天然魚と養殖魚で寄生率が異なる
ブリ糸状虫の寄生率は、天然魚と養殖魚で大きく異なります。
これは、養殖魚の場合、餌や環境を管理することで、ある程度寄生を抑制できるためです。
養殖場では、水質管理や定期的な健康チェックなどを行い、寄生虫の侵入を最小限に抑える努力がなされています。
しかし、完全に防ぐことは難しいのが現状です。
天然魚は自然環境で生育するため、さまざまな生物と接触する機会が多く、結果として寄生虫に感染するリスクも高くなります。
【安心】食べても人体に害はない!
つまり、たとえブリ糸状虫が寄生した魚を食べたとしても、健康被害の心配はありません。
この寄生虫は魚の体内でのみ生存可能で、人間の体内では生きることができないのです。
ただし、見た目が気になる方も多いでしょう。
その場合は、調理前に丁寧に取り除いてから調理するのがおすすめです。
ピンセットなどを使って慎重に取り除くことができます。
また、加熱調理をすることでも死滅させることができます。
むしろ、ブリ糸状虫の存在は、その魚が天然に近い環境で育ったことの証とも言えるかもしれません。
魚介類で注意が必要な寄生虫
魚介類には様々な寄生虫が存在し、中には人体に影響を与えるものもあります。
ここでは、ブリ糸状虫以外に注意が必要な寄生虫について詳しく解説します。
適切な知識を持つことで、安心して魚介類を楽しむことができるでしょう。
アニサキス
アニサキスは、魚介類の寄生虫の中でも特に注意が必要なものの一つです。
白色で2~3cmの糸状の姿をしており、主に魚の内臓や筋肉に寄生します。
アニサキスに感染した魚を生で食べてしまうと、激しい腹痛や吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れることがあります。
さらに、アレルギー反応を引き起こす場合もあります。
実際に、令和5年度には432件(計441人)のアニサキスによる食中毒が報告されており、決して軽視できない問題となっています。
予防には、魚を十分に加熱することが効果的です。
また、-20℃で24時間以上冷凍することでも効果があります。
クドア
クドアは、主にヒラメに寄生する粘液胞子虫の一種です。
大きさは約10μmと非常に小さく、肉眼では見ることができません。
生のヒラメ刺身を食べることで感染し、食後数時間で一過性の嘔吐や下痢などの症状が現れます。
幸いなことに、症状は比較的軽く、通常は24時間以内に回復します。
これらの処理によってクドアは死滅し、安全に食べることができます。
ヒラメを生で食べる際は、適切な処理がなされているか確認することが大切です。
旋尾線虫
旋尾線虫は、主に生のホタルイカの内臓に寄生する寄生虫です。
体長は5~10mm、幅は0.1mmほどの小さな虫ですが、人体に影響を与える可能性があります。
感染すると、食後数時間から数日で腹痛や吐き気などの症状が現れ、さらに皮膚に線状の隆起が生じることもあります。
また、加熱調理でも予防が可能です。
ホタルイカを生で食べる際は特に注意が必要で、内臓を完全に除去するか、適切な冷凍処理がされたものを選ぶことが重要です。
旬の時期にはホタルイカを楽しみたいところですが、安全性を確保することが何より大切です。
魚の寄生虫対策で重要なポイント
魚介類を安心して楽しむためには、寄生虫対策が欠かせません。
ここでは、家庭でできる効果的な寄生虫対策のポイントをご紹介します。
日々の食卓で実践できる方法ばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
購入後はすぐに内臓を取り除く
魚を購入したら、できるだけ早く内臓を取り除くことが大切です。
寄生虫の多くは内臓に潜んでいるため、内臓を除去することで寄生虫が筋肉へ移動するリスクを減らすことができます。
また、内臓を取り除くことで魚の鮮度も長持ちします。
内臓を取り出した後は、腹腔内をしっかりと水で洗い流しましょう。
この時、キッチンペーパーなどで水気をよく拭き取ることも忘れずに。
内臓を取り除く際は、包丁やまな板を別にするなど、交差汚染にも注意が必要です。
適切に冷凍処理されたものを購入する
寄生虫対策として、適切に冷凍処理された魚を選ぶことも効果的です。
一般的な家庭用冷凍庫の温度はマイナス18℃程度ですが、店舗で販売されている冷凍魚は、より低温で処理されていることが多いです。
ただし、寄生虫の種類によっては、より低温で長時間の冷凍が必要な場合もあります。
店頭で購入する際は、信頼できる店舗で適切に冷凍処理された商品を選びましょう。
解凍後は速やかに調理し、再冷凍は避けることが大切です。
冷凍処理は寄生虫対策として有効ですが、鮮度や味に影響を与える可能性もあるので、用途に応じて使い分けるのがおすすめです。
目視で取り除く
魚の寄生虫対策として、目視での確認と除去も重要なポイントです。
明るい場所で、魚の表面や切り身をじっくりと観察しましょう。
寄生虫は主に腹部や筋肉の間に潜んでいることが多いので、特にその部分を注意深くチェックします。
もし寄生虫を見つけたら、ピンセットなどを使って慎重に取り除きます。
目視での確認は、完璧な方法ではありませんが、大きな寄生虫を見つけるには効果的です。
また、この作業を通じて魚の状態を確認できるため、鮮度チェックにもなります。
ただし、小さな寄生虫や目に見えないものもあるので、目視確認だけでなく、他の対策と組み合わせることが大切です。
加熱して食べる
多くの寄生虫は熱に弱く、適切な温度で加熱することで死滅させることができます。
一般的に、魚の中心温度を75℃で1分以上保つことで、ほとんどの寄生虫を無害化できます。
ただし、魚の大きさや厚さによって加熱時間は変わるので注意が必要です。
焼く、煮る、蒸すなど、どの調理法でも中心まで熱が通っていることが重要です。
特に妊婦さんや小さなお子さん、高齢者など、免疫力が低下している方がいる家庭では、生食を避け、しっかりと加熱調理することをおすすめします。
加熱調理は寄生虫対策だけでなく、他の食中毒菌の予防にも効果的で、安全性が高まります。
まとめ
今回はブリ糝状虫について詳しく見てきました。
魚を愛する妊婦さんやママさんにとって、心配の種になりそうな話題でしたね。
一方で、アニサキスやクドアなど、注意が必要な寄生虫もあるのです。
これらの寄生虫対策としては、内臓の速やかな除去や適切な冷凍処理、目視での確認、十分な加熱などが効果的です。
魚は栄養価が高く、妊娠中や子育て中の方にもおすすめの食材ですよ。
ただし、調理の際は少し気を付けるだけで、より安全に美味しく楽しめるでしょう。
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