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授乳中の糖尿病管理|食事から運動まで注意すべきポイント総まとめ

授乳中の病気・不調
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この記事は栄養士によって監修されています

この記事を監修された先生

中村あゆみ先生

中村 あゆみ 先生

東京農業大学応用生物科学部卒業。食品企業での勤務経験を経て、都内保育園で栄養士として従事。妊娠中のお母さんへの栄養相談や食育活動に携わる。現在は茨城県内のこども園で子供たちの食育指導や献立作成を担当。茨城県栄養士会所属。

中村先生の詳細プロフィール

ママになって嬉しい反面、授乳中の体調管理に不安を感じていませんか?

特に糖尿病や妊娠糖尿病を経験したママにとって、授乳期の血糖コントロールは大きな課題です。

この記事では、授乳中の糖尿病管理について、食事や運動など、日常生活で気をつけるべきポイントを分かりやすくまとめています。

赤ちゃんとママ、両方の健康を守るために必要な情報が満載です。

ぜひ最後まで読んで、安心して授乳生活を送るためのヒントを見つけてくださいね。

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妊娠糖尿病・糖尿病の基本情報

妊娠糖尿病と糖尿病は、血糖値に関わる重要な健康課題です。

これらの違いや特徴を理解することで、適切な管理と対策が可能になります。

ここでは、妊娠糖尿病と糖尿病の基本的な情報について詳しく解説します。

発症時期

妊娠糖尿病と糖尿病では、発症の時期が大きく異なります。

妊娠糖尿病は、その名の通り妊娠期間中に発症する一時的な状態です。

多くの場合、妊娠中期から後期にかけて血糖値の上昇が見られ、出産後には自然と改善することが一般的です。

一方、糖尿病は妊娠とは無関係に発症する慢性疾患であり、妊娠前から診断されていることもあれば、妊娠を機に発見されることもあります。

妊娠中の定期検診で初めて糖尿病が判明するケースも少なくありません。

このため、妊娠中の血糖値管理は非常に重要で、母体と赤ちゃんの健康を守るために欠かせません。

【妊娠糖尿病&糖尿病】原因

妊娠糖尿病と糖尿病では、その発症メカニズムが異なります。

妊娠糖尿病の主な原因は、妊娠中に分泌される様々なホルモンの影響です。

特に、胎盤から分泌されるホルモンがインスリンの働きを妨げ、インスリン抵抗性を高めることが知られています。

これにより、体内でのインスリンの効果が低下し、血糖値が上昇しやすくなるのです。

一方、糖尿病の発症には複数の要因が関与します。

遺伝的な素因、生活習慣、肥満、加齢などが主な原因として挙げられます。

1型糖尿病の場合は自己免疫疾患としての側面もあり、膵臓のインスリン産生細胞が破壊されることで発症します。

2型糖尿病は、インスリンの分泌不全やインスリン抵抗性が原因となることがほとんどです。

妊娠糖尿病は将来の糖尿病リスクに関係があるってホント?

妊娠糖尿病を経験したママにとって、将来の健康管理は特に重要です。

妊娠糖尿病は一時的な状態ですが、実は将来の2型糖尿病発症リスクを高めることが研究で明らかになっています。

妊娠中に妊娠糖尿病と診断されたママは、産後6〜12週間後に75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を受けることが推奨されています。

この検査は、体の糖代謝能力を評価し、糖尿病のリスクを把握するために重要です。

検査結果が正常であっても、定期的な健康チェックを継続することが大切です。

また、バランスの取れた食事や適度な運動など、健康的なライフスタイルを心がけることで、将来の糖尿病リスクを軽減できる可能性があります。

授乳中の血糖値の目標は?

授乳中のママにとって、適切な血糖値の管理は自身の健康維持だけでなく、赤ちゃんの健やかな成長のためにも重要です。

授乳中の理想的な血糖値は、早朝空腹時血糖値が95mg/dL未満、食後1時間血糖値が140mg/dL未満、または食後2時間血糖値が120mg/dL未満とされています。

また、長期的な血糖コントロールの指標であるHbA1c(ヘモグロビンA1c)値は6.0〜6.5%が望ましいとされています。

これらの数値を目安に、自己管理を行うことが大切です。

ただし、個人の状況によって適切な目標値が異なる場合もあるため、必ず主治医と相談しながら、自分に合った血糖管理を行うようにしましょう。

低血糖はどのような症状が出る?

低血糖は、血糖値が急激に低下することで起こる症状です。

授乳中のママは特に注意が必要です。

低血糖の代表的な症状には、冷や汗、動悸、手の震えなどがあります。

その他にも、めまい、頭痛、集中力の低下、イライラ感、空腹感、唇や手足のしびれなども現れることがあります。

これらの症状は個人差があり、軽度の場合は気づきにくいこともあります。

低血糖を起こしやすい状況としては、食事の遅れや抜き、激しい運動後、インスリン注射の量が多すぎた場合などが挙げられます。

授乳も血糖値を下げる要因となるため、授乳前後の血糖値の変動に注意を払う必要があります。

低血糖の症状を感じたら、すぐにブドウ糖や砂糖を含む飲食物を摂取し、血糖値を上げることが重要です。

授乳中にインスリンを使っても問題ない?

授乳中のママインスリン療法の継続に不安を感じる方もいるかもしれませんが問題ありません。

授乳中もインスリン療法を継続することは可能で、むしろ適切な血糖コントロールのために必要な場合があります。

インスリンは分子量が大きいため、母乳中にほとんど移行せず、赤ちゃんへの影響はないとされています。

ただし、授乳による血糖低下には注意が必要です。

授乳によってエネルギーが消費されるため、血糖値が急激に低下する可能性があります。

このため、授乳前後の血糖値をこまめにチェックし、必要に応じて軽食を摂るなどの対策が重要です。

インスリンの種類や投与量は個人の状態に応じて調整が必要なため、必ず主治医と相談しながら、最適な管理方法を見つけていくことが大切です。

食事で注意すべきこと

授乳中の糖尿病管理において、食事は非常に重要な役割を果たします。

適切な栄養摂取は、ママの健康維持と赤ちゃんの成長に不可欠です。

ここでは、授乳中の糖尿病ママが食事で注意すべきポイントについて詳しく解説します。

必要なカロリーを摂取する

授乳中のママは、通常よりも多くのカロリーを必要とします。

一般的に、授乳期間中は1日あたり350〜450kcal程度の追加摂取が推奨されています。

これは、母乳の生成に必要なエネルギーを補うためです。

しかし、産後ダイエットを考えているママもいるでしょう。

確かに、適切な体重管理は健康維持のために重要ですが、急激な減量は避けるべきです。

なぜなら、極端な食事制限は母乳の質や量に影響を与える可能性があるからです。

また、不十分な栄養摂取は、ママ自身の体力低下や疲労感の増加につながる恐れがあります。

そのため、バランスの取れた食事を心がけながら、必要なカロリーをしっかりと摂取することが大切です。

具体的な摂取カロリーについては、個人の体格や活動量、授乳の頻度などによって異なるため、栄養士や主治医に相談して決めるのが望ましいでしょう。

バランスの良い食事を心がける

糖尿病管理と授乳中の栄養摂取を両立させるためには、バランスの良い食事が欠かせません。

炭水化物、タンパク質、脂質をバランス良く摂取することが重要です。

炭水化物は血糖値に大きく影響するため、その量と質に注意が必要です。

精製された白米やパンよりも、玄米や全粒粉のパンなど、食物繊維を多く含む複合炭水化物を選ぶと良いでしょう。

タンパク質は、母乳の生成に必要不可欠な栄養素です。

魚、鶏肉、豆類、卵などから適量を摂取しましょう。

脂質は、必須脂肪酸の供給源として重要です。

特に、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を含む青魚は、赤ちゃんの脳の発達にも良い影響を与えます。

また、野菜や果物からビタミンやミネラルを十分に摂ることも大切です。

特に、カルシウム、鉄分、葉酸などは授乳中のママに重要な栄養素です。

ただし、果物の摂取には注意が必要で、血糖値の急上昇を避けるため、食後のデザートとしてではなく、食事の一部として摂取するのがおすすめです。

授乳前に補食をとる

授乳は母体にとって大きなエネルギー消費を伴う行為です。

そのため、授乳前に適切な補食をとることで、授乳に伴う低血糖を予防することができます。

理想的な補食は、炭水化物とタンパク質をバランス良く含む食品です。

例えば、全粒粉のクラッカーにチーズを乗せたもの、ヨーグルトにナッツを混ぜたもの、りんごとピーナッツバターなどが良い選択肢となります。

これらの組み合わせは、血糖値の急激な上昇を抑えつつ、持続的なエネルギー供給を可能にします。

補食の量は個人の状態によって異なりますが、一般的には100〜200kcal程度が目安となります。

ただし、夜間の授乳時には、消化に時間がかかる食品は避け、軽めの補食を選ぶと良いでしょう。

また、補食の際にも血糖値をチェックし、自分の体調に合わせて調整していくことが大切です。

こまめに水分を補給する

授乳中のママの体は、母乳の生成のために多くの水分を必要とします。

そのため、授乳中のママは脱水状態になりやすく、十分な水分摂取が非常に重要です。

水分不足は、便秘や尿路感染症のリスクを高めるだけでなく、母乳の量にも影響を与える可能性があります。

一日に必要な水分量は個人差がありますが、一般的に2〜2.5リットル程度が目安とされています。

ただし、これには食事から摂取する水分も含まれます。

水やお茶が基本ですが、カフェインを含む飲み物は控えめにしましょう。

また、糖分を含む飲料は血糖値に影響を与えるため、注意が必要です。

水分補給のタイミングとしては、喉が渇いたと感じる前に、こまめに飲むことが大切です。

特に授乳の前後や運動後は意識的に水分を摂るようにしましょう。

運動と生活習慣で気を付けるべきこと

授乳中の糖尿病管理において、適切な運動と健康的な生活習慣は非常に重要です。

血糖値のコントロールだけでなく、産後の体型回復や心身の健康維持にも大きな効果があります。

ここでは、具体的な注意点とおすすめの方法をご紹介します。

適度な運動を取り入れる

産後の体には負担をかけすぎず、かつ効果的な運動を心がけることが大切です。

ウォーキングやストレッチなど、軽度から中等度の運動がおすすめです。

これらの運動は、血糖値の安定化に役立つだけでなく、産後の体重管理にも良い効果が期待できます。

例えば、赤ちゃんを抱っこしながらのウォーキングは、心肺機能の向上と同時に赤ちゃんとの絆を深める素敵な時間にもなります。

ただし、運動の強度や時間については、個人差が大きいため、必ず主治医と相談して決めることが重要です。

無理のない範囲で、徐々に運動量を増やしていくことがポイントです。

運動前後の血糖値をチェックする

運動は血糖値に大きな影響を与えるため、特に医師から指示がある場合は、運動前後の血糖値をこまめにチェックすることが重要です。

運動による急激な血糖値の低下を防ぐため、運動前に軽い補食をとるのも一つの方法です。

例えば、バナナ半分やプレーンヨーグルトなど、消化の良い炭水化物と少量のタンパク質を組み合わせた補食がおすすめです。

運動中や運動後に低血糖症状(冷や汗、めまい、手の震えなど)を感じたら、すぐに休息を取るようにしましょう。
その後、ブドウ糖や砂糖を含む飲み物を摂取するなどの対処が必要です。

規則正しい生活を心がける

新生児のお世話で生活リズムが乱れがちですが、可能な限り規則正しい生活リズムを保つことが血糖値の安定につながります。

決まった時間に食事をとり、適度な運動を行い、十分な睡眠と休息を取ることが大切です。

特に、夜間の授乳で睡眠が不足しがちなママは、昼間に仮眠を取るなどして睡眠時間を確保しましょう。

また、食事の時間や内容も可能な限り一定にすることで、血糖値の変動を最小限に抑えることができます。

家族の協力を得ながら、自分なりの生活リズムを作り上げていくことが重要です。

ストレスを溜め込まない

ストレスは血糖値を上昇させる要因となるため、ストレス管理も糖尿病コントロールの重要なポイントです。

育児と自己管理の両立は決して楽ではありませんが、完璧を求めすぎないことが大切です。

時には気分転換やリラックスの時間を設けることも必要です。

例えば、赤ちゃんが寝ている間にお気に入りの音楽を聴いたり、アロマオイルでリラックスしたり、家族や友人と話をするなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

また、同じ境遇のママ友とコミュニケーションを取ることで、悩みの共有や情報交換ができ、精神的な支えになります。

家族の理解と協力を得ながら、適度に自分の時間を確保することで、心身ともにリフレッシュできるはずです。

まとめ

授乳中の糖尿病管理には食事や運動など様々な注意点があります。

妊娠糖尿病や糖尿病の基本情報を理解し、適切な血糖値コントロールを心がけることが大切です。

食事面では、必要なカロリーを摂取しつつ、バランスの良い食事を心がけましょう。

運動面では、ウォーキングやストレッチなど軽度から中等度の運動を取り入れると良いでしょう。

また、規則正しい生活リズムを保ち、ストレスを溜め込まないことも重要なポイントとなります。

授乳中の糖尿病管理は大変かもしれませんが、ママの健康と赤ちゃんの成長のために必要不可欠なものです。

困ったことがあれば、主治医や専門家に相談することをおすすめします。

当サイトでは、他にも妊娠中のプレママや子育て中のママを応援する記事を多数掲載していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
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