授乳時に不快感や気分の落ち込みを感じることはありませんか？
実は、このような症状はD-MER（不快性射乳反射）かもしれないんです。ドーパミンというホルモンの一時的な低下によって起こるもので、授乳すると不快感や気分の落ち込みがスッと消えると言われています。
D-MER（不快性射乳反射）って何？原因と症状の基本を知ろう
D-MERは授乳中に起こる不思議な現象で、心身に影響を及ぼすことがあります。よくみられる症状の特徴や原因といった基本的な部分から見ていきましょう。
D-MERの症状とは
D-MER（Dysphoric Milk Ejection Reflex）では、授乳時に悲しみ、不安、イライラといった感情が一時的に生じます。
多くの場合、射乳反射の約30秒から90秒前、つまり授乳の直前になって突然気分の落ち込みを感じます。症状は数秒から数分続いたのち、授乳が進むにつれて徐々に改善してくるのが特徴です。
D-MERの原因
D-MERの原因は、脳の神経伝達物質である「ドーパミン」の急激な低下です。
赤ちゃんがお母さんのおっぱいを吸うと、母乳が乳腺から流れ出るようになります。これは「射乳反射」と呼ばれるもので、射乳反射が起きると、ママの体は母乳を多く作りだすために「プロラクチン」というホルモンを多く出すようになります。
射乳反射が起こるとドーパミンが減少し、その結果、授乳直前に心身の不快感が生じるんです。そして、授乳が進むにつれて症状はスッと消えていきます。
決して、これはママの心理的な問題によるものではありません。ホルモンの変動によって引き起こされる自然な反応と言えます。
D-MERの対処法
D-MERで感じる不快感には、かなり個人差があるということを頭に入れておきましょう。
D-MERの影響を強く受けるママもいれば、授乳の時期に全く気にならなかったというママもいるくらい、人によって違うんです。産後数ヶ月で自然と落ち着いていくものですが、一部のママは授乳の期間ずっと症状に悩まされることも。
症状を理解・共感してもらえる環境を整えることで、D-MERと上手に付き合っていくことができますよ。
授乳中のママがD-MERに気づくためのサイン
授乳中の不快感や気分の落ち込みに戸惑うママも多いはず。原因がD-MERかもしれないと気づくだけでも、一歩前進ですよ。
D-MERかも？と思ったら
授乳時に感じる不快感や気分の落ち込みは、忙しさや育児のストレスだけが原因ではないかもしれません。
その症状がD-MERに該当する可能性があるかどうか、かんたんにチェックできる方法をお伝えします。
もしかして？と思ったら、まずは授乳直前の気持ちや体調の変化を観察してみましょう。
例えば、胃がむかつく、急に悲しみが押し寄せる、突然の不安に襲われるなどの症状が射乳反射の前に起こり、乳が出始めると同時に消える場合には、D-MERかもしれません。
心当たりがあるママも、決して自分を責めることはしないでくださいね。
D-MERの影響
「ママの笑顔が子供には一番」とよく言われますが、それがつらいこともありますよね。授乳自体がおっくうになり、育児に対して否定的な感情が強まってしまうリスクも否定できません。
D-MERの存在を知り、影響をきちんと理解することは、自分自身の精神的健康を保つ上で非常に大切です。
感じる感情は決して恥ずかしいものではなく、多くのママが通る道。自分だけが特別な悩みを抱えているわけではないと知ることで、一人で抱え込むことなく解決へと向かう勇気が生まれるでしょう。
D-MERの周囲への説明
大切な人だからこそ話すのは勇気がいるかもしれません。でも、D-MERは一人では乗り越えられないこともあるため、パートナーやご家族に理解してもらうことが不可欠です。
症状や生活への影響などをちゃんと伝えることで、周囲からの支援を得やすくなります。
不安な時や症状がつらいときには助産師や医師に相談して、専門的な視点からのアドバイスを受けるのもよいでしょう。
ちょっと辛い日もあるかもしれませんが、
授乳中の不快感を和らげるためのアドバイス
授乳は赤ちゃんにとってもママにとっても大切な時間。不快感があると想像以上に辛いですよね。
続いては、授乳中でも心地よい時間を過ごすためにできることをご紹介します。
授乳中にリラックスできるように環境を整える
授乳中は、リラックスできる環境を作り出すことが重要です。柔らかい照明を使ったり、心地よい音楽を流したりするのも良いですね。
また、深呼吸や瞑想などリラックスできる方法を知っておくと、気持ちの安定につながりますよ。
栄養バランスの取れた食事と十分な休息
ママの体調を整えるためには、バランスの良い食事としっかりとした睡眠が不可欠です。
食事ではビタミンやミネラルが豊富な野菜、果物をたくさん取り入れ、タンパク質や良質な脂質、カルシウムをしっかりととりましょう。
睡眠不足はホルモンバランスの乱れを招くため、リラクゼーション音楽を聴く、寝室の環境を整えてみる、リラックスできる習慣作りなど、よりよい睡眠をとる眠りにつくための工夫をしてみてくださいね。
医師や助産師に相談する
D-MERの症状が強く、自分での対処が難しいと感じたら、医師や助産師と相談することが大切です。専門家であれば、適切なアドバイスや具体的なサポートを提供してくれますよ。
授乳の問題だけでなく、産後の精神的な不安が大きい場合は、カウンセリングを受けることも選択肢の一つ。
感じている不快感やストレスについて正直に伝えましょう。話し合いによって、授乳に対する気持ちの負担も軽くなることが期待できますよ。
授乳期間中の不快感は、ママ自身が思っている以上に育児への影響が大きいもの。生活を工夫したり専門家に相談したりして、少しでも快適に過ごせることが重要です。
まとめ
授乳中に不快感を覚えるD-MER（不快性射乳反射）は、ドーパミンの一時的な低下が原因で起こる現象です。症状には胃の不快感や気分の落ち込みなどがあり、多くの場合授乳前に始まり射乳反射で消えるとされています。
対処法としては、リラックスを助ける環境作りやバランスの良い食事、十分な休息が有効です。また、精神的な負担が大きい場合は、医師や助産師に相談することをおすすめします。
周囲の理解とサポートも非常に重要なので、家族やパートナーに症状を共有しておくとよいでしょう。
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