妊娠中や子育て中のママさんたち、お魚は大切な栄養源ですよね。
でも、「カンパチにアニサキスがいるって聞いたけど、本当?」なんて不安に思ったことはありませんか?
そこで今回は、カンパチとアニサキスの関係、そして安心して美味しく食べるためのポイントをまとめてみました。
【覚えておきたい】アニサキスとは
アニサキスは魚介類に寄生する厄介な生物ですが、正しい知識を持てば対策は可能です。
見た目
アニサキスは、肉眼でも確認できる大きさの寄生虫です。
白色または茶褐色の糸状をしており、幅は0.5~1mm程度、長さは2~3cm程度になります。
細長い糸のような形状が、アニサキスの最大の特徴と言えるでしょう。
魚介類を調理する際には、この見た目を覚えておくことで、万が一アニサキスが存在した場合でも素早く発見することができます。
寄生しやすい部位
アニサキスは主に魚介類の内臓に寄生します。
特に注意が必要なのは、鮮度が落ちてくると内臓から筋肉へと移行する性質があることです。
内臓と内臓に近い筋肉でよく見つかりますが、身の奥や皮の下などに入り込むこともあります。
そのため、魚を調理する際には内臓を速やかに取り除くことが重要です。
また、刺身など生で食べる場合は、内臓周辺の身にも十分な注意を払う必要があります。
アニサキス症の症状
アニサキス症になると、体に様々な不快な症状が現れます。
代表的なものとしては、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐、激しい下腹部痛、腹膜炎症状、腹部膨満感などが挙げられます。
また、蕁麻疹などのアレルギー症状が出る方もいます。
早期発見・早期治療が、症状の軽減と快復につながります。
アニサキス症は適切な処置を行えば治癒する病気ですが、放置すると重症化する可能性もあるため、注意が必要です。
【疑問】カンパチにアニサキスはいる?
カンパチにアニサキスが寄生しているリスクは、一般的に低いと考えられています。
その理由は、日本国内で流通しているカンパチの多くが養殖されたものだからです。
養殖されたカンパチ、特に人工種苗から育てられた完全養殖のカンパチは、アニサキスのリスクがほぼゼロに近いとされています。
しかし、天然のカンパチの場合は注意が必要です。
天然魚は餌として他の魚を捕食するため、その過程でアニサキスに感染する可能性があります。
ただし、養殖だからといって完全に安心はできません。
カンパチを安全に食べるための対策
カンパチは美味しい魚ですが、安全に楽しむためにはいくつかの対策が必要です。
鮮度の良いものを選ぶことから始まり、適切な調理方法まで、知っておくべきポイントをご紹介します。
鮮度の良いものを選ぶ
カンパチを安全に食べるための第一歩は、鮮度の良いものを選ぶことです。
鮮度の良いカンパチは、目が澄んでいて身が締まっているのが特徴です。
魚の目が濁っていたり、身がふにゃふにゃしていたりするものは避けましょう。
また、魚の匂いも重要なポイントです。
新鮮な魚には、海の香りがほのかに漂う程度で、強い生臭さはありません。
購入する際は、信頼できる店で買うのがおすすめです。
魚屋さんや市場など、魚の取り扱いに慣れている専門店なら、鮮度の良いカンパチを選びやすいでしょう。
さらに、できれば氷で保管されているものを選ぶと、より鮮度が保たれています。
養殖カンパチを選ぶ
アニサキスのリスクを最小限に抑えるなら、養殖カンパチを選ぶのが賢明です。
特に、人工種苗から育てられた完全養殖のカンパチは、アニサキスのリスクがほぼゼロに近いとされています。
養殖カンパチは、管理された環境で育てられているため、天然のカンパチに比べてアニサキスに感染する可能性が格段に低くなります。
また、養殖カンパチは年間を通して安定した供給があり、価格も比較的安定しているのも魅力です。
ただし、養殖カンパチを選ぶ際も、鮮度や保存状態には注意が必要です。
購入したら早めに内臓を取り除く
カンパチを購入したら、できるだけ早く内臓を取り除くことが重要です。
アニサキスは主に魚の内臓に寄生しているため、内臓を速やかに取り除くことで、アニサキスが身へ移動するリスクを減らすことができます。
内臓を取り除く際は、キッチンペーパーなどを使って内臓をしっかりと拭き取り、内臓の残りがないようにしましょう。
また、内臓を取り除いた後は、魚の腹腔内をよく洗い、清潔に保つことも大切です。
購入時に、お店で処理してもらうのも一つの手段です。
内臓を取り除いた後は、できるだけ早く調理するのが理想的ですが、すぐに調理できない場合は、清潔な容器に入れて冷蔵庫で保管しましょう。
この際、水分をよく拭き取ってから保管することで、鮮度の低下を防ぐことができます。
表面を目視で確認する
カンパチの安全性を確保する上で、表面を目視で確認することは非常に重要です。
切り身になっているものや、自身でさばく際には、必ずカンパチの表面を注意深く観察しましょう。
白い糸状のものや、黒くなっている部分がないかチェックしてください。
もし疑わしい部分を見つけた場合は、その部分を広めに切り取って除去しましょう。
また、身の色が変わっている部分や、異常に柔らかい部分がある場合も要注意です。
こうした部分は、アニサキスが潜んでいる可能性があります。
目視確認は、調理の直前に行うのが最も効果的です。
適切な冷凍・加熱処理を行う
アニサキスを確実に死滅させるには、適切な冷凍処理か加熱処理を行うことが効果的です。
冷凍処理の場合、マイナス20℃で24時間以上保存することでアニサキスを死滅させることができます。
ただし、家庭用の冷凍庫ではマイナス20℃を維持するのが難しいため、この条件を満たすことは現実的ではありません。
一方、加熱処理は比較的簡単に行えます。
例えば、カンパチの切り身を焼く際は、中心部までしっかりと火を通すようにしましょう。
また、刺身として食べる場合は、表面を軽く炙ることでも一定の効果が期待できます。
ただし、完全に生で食べる場合は、この方法では不十分なので、他の対策と併用することが重要です。
よくある質問
カンパチを安全に楽しむために、多くの方が疑問を抱えています。
ここでは、よくある質問とその回答をご紹介します。
妊婦さんや授乳中の方、家庭での調理方法、アニサキス対策済みのカンパチについてなど、気になる疑問を解消していきましょう。
Q. カンパチの刺身は完全に避けるべき?
カンパチの刺身を完全に避けるべきかどうかは、個人の健康状態や好みによって異なります。
この時期は、免疫系が通常とは異なる状態にあるため、生の魚介類を食べることでリスクが高まる可能性があります。
一方で、十分に加熱調理したカンパチは、より安心して楽しむことができます。
加熱によってアニサキスなどの寄生虫が死滅するため、食中毒のリスクが大幅に低下します。
Q. 家庭用冷蔵庫でアニサキス対策は十分にできる?
アニサキスを確実に死滅させるには、マイナス20℃以下で24時間以上の冷凍処理が必要です。
先述した通り、一般的な家庭用冷凍庫ではこの温度を安定して維持するのが困難なのです。
そのため、家庭での冷凍処理だけに頼るのではなく、可能な限り加熱調理を行うことが望ましいでしょう。
ただし、完全に対策ができないからといって、カンパチを楽しめないわけではありません。
Q. アニサキス対策済みのカンパチはあるの?
完全養殖とは、人工種苗から育てられた魚を意味し、この方法で育てられたカンパチは、アニサキスのリスクがほぼゼロに近いとされています。
完全養殖のカンパチは、生まれてから出荷されるまでの全過程を人工的な環境下で管理されているため、アニサキスに感染する機会がほとんどありません。
しかし、完全養殖のカンパチだからといって、全く気を付ける必要がないわけではありません。
念のため、調理時にも注意を払うことが大切です。
例えば、購入後はすぐに調理し、長時間放置しないようにしましょう。
また、調理前に再度目視で確認するなど、基本的な衛生管理を行うことで、さらに安全性を高めることができます。
このように、アニサキス対策済みのカンパチを選ぶことで、より安心して美味しいカンパチを楽しむことができます。
まとめ
残念ながら、カンパチにもアニサキスが存在する可能性があります。
しかし、適切な対策を講じることで、安心して美味しく楽しむことができます。
購入後は速やかに内臓を取り除き、表面を目視で確認することが大切です。
適切な冷凍・加熱処理も効果的な対策となります。
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