妊娠中は赤ちゃんのためにも、栄養価の高い食事を心がけたいですよね。でも、果物は食べても大丈夫なの?と不安に思うママも多いのではないでしょうか。
この記事では、妊娠中の果物摂取について、おすすめの果物や注意点、研究データなどをまとめてご紹介します。
妊娠中のママに役立つ情報が満載ですので、ぜひ参考にしてくださいね。
妊娠中に果物を食べてもOK?
妊娠中のママにとって、バランスの取れた食事は赤ちゃんの健やかな成長に欠かせません。
果物は豊富な栄養素を含んでいますが、妊娠中に食べても大丈夫なのでしょうか?
ここでは、妊娠中の果物摂取について、メリットや適切な量、おすすめの種類などを詳しく解説します。
【メリットたくさん】妊娠中に果物は食べてOK!
果物には、ビタミンやミネラル、食物繊維など、妊娠中に特に重要な栄養素が豊富に含まれているからです。
例えば、ビタミンCは鉄分の吸収を助け、貧血予防に効果的。また、葉酸は胎児の脳や脊髄の発育に欠かせない栄養素として知られています。
さらに、果物に含まれる食物繊維は便秘解消に役立ち、妊娠中の不調軽減にもつながります。
そのほか、果物に含まれるカリウムは血圧を下げる働きがあり、妊娠高血圧症候群のリスク低減が期待できます。
抗酸化物質も豊富なので、ママの老化防止や美容効果も見込めるでしょう。
妊娠中は体調の変化で食欲が落ちることもありますが、果物はさっぱりとした甘みで食べやすく、ヘルシーなおやつとしてもおすすめです。
果物の適切な摂取量
果物も適量を心がけましょう。
厚生労働省の「健康づくりのための食事摂取基準」によると、妊娠初期は1日当たり約200g、中期・後期は約300gの果物摂取が推奨されています。
目安としては、りんご約1個分と言えます。
1回の食事で果物を食べ過ぎないよう、1日の摂取量を意識しながら、複数回に分けて食べるのがおすすめです。
なお、果物ジュースは果糖が濃縮されているため、生の果物を食べる方が望ましいでしょう。
妊娠中は体重管理も大切なので、果物の摂取量は適度に調整しながら、他の食品群とのバランスを考えて食事に取り入れていきたいですね。
妊娠初期におすすめの果物
妊娠初期は、つわりなどの体調不良で食欲が落ちることも多いでしょう。そんなときは、食べやすい果物を選ぶのがポイントです。
例えば、キウイフルーツやオレンジ、いちごなどの柑橘類は、酸味と甘みのバランスが良く、さっぱりとした口当たり。
ビタミンCも豊富に含まれているため、つわりによる気分の落ち込みを和らげ、体調回復を助ける効果が期待できます。
また、バナナはカリウムが豊富で、むくみ解消に効果的。ヨーグルトと一緒に食べれば、消化にも優しく栄養バランスも取れます。
そのほか、水分補給を兼ねて、すいかやメロンを適量食べるのもおすすめ。
ただ、冷たいものは胃腸に負担がかかるので、常温に戻してから食べるようにしましょう。
妊娠初期は体調に合わせながら、無理のない範囲で果物を取り入れていくことが大切ですね。
おいしい保存方法
せっかく購入した果物も、保存方法を誤ると傷みやすくなったり、栄養価が低下したりしてしまいます。
おいしく食べるためには、果物ごとに適した保存方法を知っておくことが大切ですね。
多くの果物は常温保存が基本ですが、日持ちを良くしたい場合は冷蔵庫で保存するのがおすすめ。
ただ、バナナやキウイフルーツ、パイナップルなど、低温に弱い果物は冷蔵庫に入れると傷みやすくなるので常温で保存しましょう。
いちごやぶどう、さくらんぼなどのベリー類は、冷蔵庫で保存することで鮮度を保ちやすくなります。
そのほか、切った果物をラップに包んで冷蔵庫で保存したり、使いきれない分は小分けにして冷凍保存したりするのも効果的。
特に、バナナは冷凍すると甘みが増して、アイスクリームのような食感が楽しめますよ。
旬の果物を上手に保存して、妊娠中の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
妊娠中に避けるべき果物は?注意点もまとめました
妊娠中は赤ちゃんの健やかな発育のために、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
果物は豊富な栄養素を含む一方で、食べ方や種類によっては注意が必要なものもあります。
ここでは、妊娠中に避けるべき果物の特徴や、果物を食べる際の注意点についてご紹介します。
体を冷やす果物
特に、スイカやメロン、梨などの果物は、水分量が多く体を冷やす作用があるため、食べ過ぎには注意が必要。
妊娠中は冷え性になりやすいので、これらの果物を食べる際は適量を心がけ、常温に戻してから食べるようにしましょう。
また、妊娠後期は胎児が大きくなり、子宮が胃を圧迫するため、胃酸が逆流しやすい状態です。
冷たい果物を食べると、胃の働きが鈍くなり、胃もたれや胸やけの原因になることも。体を冷やす果物は、少量ずつ食べるのが賢明ですね。
血糖値を急激に上げる果物
妊娠中は妊娠糖尿病のリスクが高まるため、血糖値の管理が重要になります。
果物に含まれる果糖は、摂り過ぎると血糖値を急激に上昇させる可能性があるため、注意が必要です。
特に、バナナや干し柿、マンゴーなど、糖分の多い果物は控えめにするのが賢明。
食べる際は、食後のデザートとして少量を目安に、ヨーグルトと一緒に食べるなどして血糖値の上昇を緩やかにしましょう。
また、果物ジュースは果糖が濃縮された状態のため、生の果物に比べて血糖値が上がりやすくなります。
喉の渇きを感じたときは、果物ジュースよりも水やお茶を飲むようにするのがおすすめです。間食の際も、市販のジュースやゼリーよりも、果物そのものを食べると良いですよ。
洗っていない果物
果物を食べる際は、表面についた雑菌を取り除くために、しっかりと洗浄することが大切。
特に、ぶどうやいちご、さくらんぼなどは一つひとつ丁寧に洗うようにしましょう。
スイカやメロンなど、包丁で切る果物は、切る前に表面を洗浄するのを忘れずに。包丁を刺した際に、表面の雑菌が果肉に移ってしまうこともあるので要注意です。
土が付いた果物も、必ず泥を落としてから調理や保存をするのがポイント。
食中毒予防のために、果物は清潔に扱うよう心がけましょう。
果物の缶詰
妊娠中はなるべく添加物の少ない食品を選ぶのが望ましいですが、市販の果物の缶詰には糖分が多く含まれています。
果物本来の甘さに加えて、砂糖やシロップが添加されているため、エネルギー過多になりやすいのです。
妊娠中の果物摂取は、なるべく生の果物を選ぶのが基本。手軽に食べられる缶詰も魅力的ですが、食べる頻度は控えめにするのが賢明でしょう。
缶詰を食べる際は、果肉を取り出して水で洗い、糖分を軽く流してから食べるのがおすすめです。
気になる症状があれば、かかりつけの医師や助産師に相談してくださいね。
妊娠中の果物摂取に関する研究とデータ
妊娠中の果物摂取について、多くの研究が行われています。
果物に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維が、母体と胎児の健康にどのような影響を与えるのか、具体的なデータを交えながら見ていきましょう。
最新の研究結果から、妊娠中の果物摂取の重要性について理解を深めていただければと思います。
果物摂取と胎児の発育に関する研究
愛媛大学の研究グループが行った調査によると、
この研究では、妊娠中の女性を対象に、果物摂取量と出生後の子供の発達状況について追跡調査を実施しました。
その結果、妊娠中に果物を1日あたり200g以上摂取していた母親から生まれた子供は、果物摂取量が少なかった母親の子供に比べ、行動面での問題が少ないことが明らかになりました。
特に、りんごや柑橘類を多く摂取していた母親の子供は、攻撃性や多動性が低く、社会性が高い傾向にあったそうです。
果物に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維が胎児の脳の発達を促進し、情動制御能力を高めることで、行動面での問題を予防すると考察されています。
果物摂取と母体の健康に関するデータ
妊娠中の果物摂取は、母体の健康にも大きな影響を与えます。
国立健康・栄養研究所が行った調査では、妊娠中に果物を積極的に摂取していた女性は、そうでない女性に比べ、妊娠高血圧症候群や貧血のリスクが低いことが明らかになりました。
果物には、ビタミンCや葉酸が豊富に含まれています。
ビタミンCはコラーゲンの生成を促進し、血管の健康を維持する働きがあります。
また、葉酸は胎児の神経管閉鎖障害を予防する効果があることが知られています。
さらに、果物に含まれる食物繊維は、便秘の予防に役立ちます。
ホルモンバランスの変化によって便秘になりやすい妊娠中は、食物繊維を積極的に摂取することが大切です。
海外の研究事例
妊娠中の果物摂取と胎児の発育に関する研究は、海外でも盛んに行われています。
カナダのアルバータ大学の研究グループは、妊娠中の果物摂取量と子供の知能指数(IQ)との関連について調査を行いました。
その結果、妊娠中に果物を多く摂取していた母親から生まれた子供は、そうでない母親の子供に比べ、平均で2~3ポイントIQが高いことが明らかになったのです。
研究者は、果物に含まれる抗酸化物質やビタミンが、胎児の脳の発達を促進することで、知的能力を高める可能性があると考察しています。
また、ギリシャのクレタ島で行われた調査では、地中海式ダイエットを実践している妊婦から生まれた子供は、アレルギー疾患の発症率が低いとの結果も。
まとめ
妊娠中は果物を適度に摂取することで、母体と胎児の健康によい影響を与えてくれます。
また、体を冷やす果物やリステリア菌のリスクがある果物、糖分の多い果物は控えめにするのが賢明でしょう。
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