今回は妊娠中の扁桃腺炎についてお話しします。
「扁桃腺炎って聞いたことあるけど、妊娠中にかかったらどうしよう…」そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
プレママの皆さんが安心して過ごせるよう、医師の見解も交えながら、分かりやすく解説していきますね。
ぜひ最後までお付き合いください！
扁桃腺炎（扁桃炎）の基本情報
妊娠中の体調管理は、ママと赤ちゃんの健康を守る上で非常に大切です。
特に扁桃腺炎は、妊婦さんにとって気になる症状の一つ。
この記事では、扁桃腺炎の基本情報から妊娠中の注意点まで、詳しくお伝えしていきます。
扁桃腺炎とは
扁桃腺炎は、のどの奥にある扁桃腺（扁桃）に炎症が起こる病気です。
時にはその扁桃腺自体が攻撃を受けてしまうことがあり、それが扁桃腺炎なんです。
扁桃腺炎には「急性扁桃炎」と「慢性扁桃炎」の2種類があります。
急性は突然症状が現れるタイプ、慢性は長期間にわたって症状が続くタイプです。
診断は主に医師の問診と視診で行われますが、必要に応じて血液検査なども行われることがあります。
主な症状
扁桃腺炎の主な症状は、高熱とのどの痛み、そして嚥下困難です。
高熱は38度以上の熱が出ることも珍しくありません。
特に唾を飲み込むときに痛みが強くなるのが特徴です。
嚥下困難とは、食べ物や飲み物を飲み込むのが難しくなる症状のこと。
痛みのせいで、何かを飲み込むのもつらくなってしまうんです。
これらの症状に加えて、扁桃腺が腫れて白い膿栓（のうせん）ができることもあります。
また、リンパ節が腫れて首が痛くなったり、全身のだるさを感じたりすることも。
妊婦さんの場合は、これらの症状がつわりと重なると、より辛く感じてしまうことでしょう。
妊娠中の扁桃腺炎は何が原因？
妊娠中に扁桃腺炎にかかりやすくなる理由は、主に2つあります。
1つ目は、ホルモンバランスの変化による免疫力の低下です。
妊娠中は赤ちゃんを守るために、母体の免疫システムが変化します。
2つ目は、つわりによる体力低下です。
食事が思うように取れなかったり、吐き気で体力を消耗したりすることで、全体的な抵抗力が落ちてしまいます。
また、妊娠中は唾液の分泌量が変化したり、口腔内の環境が変わったりすることも、扁桃腺炎のリスクを高める要因になりうるんです。
だからこそ、妊婦さんは普段以上に体調管理に気を付ける必要があるのです。
扁桃腺炎は胎児に影響する？
扁桃腺炎自体が直接胎児に影響を与えることは少ないと言われています。
しかし、高熱が続くと早産などのリスクが高まる可能性があるので注意が必要です。
高熱は子宮の収縮を促す可能性があり、それが早産につながる恐れがあるんです。
また、発熱や痛みによる食欲不振が続くと、必要な栄養が赤ちゃんに行き渡らなくなる可能性も。
医師の指示のもと、早めに症状を改善することで、赤ちゃんへの影響を最小限に抑えることができます。
妊娠中に扁桃腺の手術をすることはある？
妊娠中の扁桃腺炎の治療は、基本的に保存療法が主流です。
つまり、手術ではなく、薬物療法や安静などで症状の改善を図ることが一般的です。
これは、手術に伴うリスクを避けるためです。
しかし、極めてまれなケースでは、手術が必要になることもあります。
例えば、扁桃周囲膿瘍（へんとうしゅういのうよう）という重症の合併症が起きた場合などです。
この場合、膿を排出する処置が必要になることがあります。
ただし、そういった処置を行う場合でも、妊娠週数や胎児の状態を十分に考慮した上で、最も安全な方法が選択されます。
使用する麻酔薬も慎重に選ばれ、胎児への影響を最小限に抑える工夫がなされます。
【妊婦さんも安心】扁桃腺炎の治療法
妊娠中の扁桃腺炎は心配ですよね。
適切な治療法を知っておけば、安心して対処できます。
ここでは、妊婦さんでも安全に行える扁桃腺炎の治療法をご紹介します。
ママと赤ちゃんの健康を守りながら、早く楽になる方法を見ていきましょう。
しっかりと休養を取る
特に妊婦さんの場合は、無理をせずにしっかり体を休めることが重要です。
ベッドで横になって過ごすのが一番ですが、完全に寝たきりになる必要はありません。
体調と相談しながら、ゆったりとした姿勢で過ごしましょう。
例えば、ソファに座ってリラックスしたり、軽い読書をしたりするのもいいでしょう。
また、睡眠時間を普段より1~2時間多めに取るのもおすすめです。
睡眠中は体の修復が行われるので、回復を早めることができます。
ただし、寝すぎて生活リズムが乱れないよう注意が必要です。
昼夜逆転にならないよう、適度な日光を浴びることも忘れずに。
周りの人にサポートを求めるのも良いアイデアです。
水分補給をこまめに行う
特に妊婦さんの場合は、赤ちゃんのためにも十分な水分を取ることが大切です。
水分を取ることで、のどの粘膜を潤し、痛みを和らげる効果があります。
また、発熱で失われた水分を補充し、体温調節を助ける役割もあります。
ただし、冷たい飲み物はのどを刺激する可能性があるので、常温や少しぬるめの飲み物がおすすめです。
水やお茶以外にも、スープやゼリー、フルーツなども水分補給に役立ちます。
特に、はちみつレモン水は、のどの痛みを和らげる効果があると言われています。
また、カフェインの取りすぎに注意し、コーヒーや紅茶は控えめにしましょう。
1日に必要な水分量は個人差がありますが、尿の色が薄い黄色になるくらいを目安に飲むといいでしょう。
【医師に相談】薬を使用する
扁桃腺炎の治療でよく使われる薬には、解熱鎮痛剤と抗生物質があります。
解熱鎮痛剤は、アセトアミノフェンが妊娠中も比較的安全とされています。
イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）は、特に妊娠後期には避けるべきです。
抗生物質は、細菌性の扁桃腺炎の場合に処方されることがあります。
ペニシリン系やセフェム系など、妊娠中も比較的安全とされる種類が選ばれます。
必ず医師に相談し、指示された用法・用量を守りましょう。
また、薬を使用する際は、副作用の可能性についても医師に確認しておくことが大切です。
症状が改善しない場合や、新たな症状が現れた場合もすぐに医師に報告しましょう。
薬の使用と並行して、十分な休養と水分補給を心がけることで、より効果的な治療につながります。
妊娠中の扁桃腺炎を防ぐには？
妊娠中は免疫力が低下しやすく、扁桃腺炎にかかるリスクが高まります。
しかし、適切な予防策を講じることで、その可能性を大幅に減らすことができます。
ここでは、プレママの皆様に役立つ具体的な予防法をご紹介いたします。
手洗い・うがいを徹底する
外出から帰宅した際や食事の前後には、必ず石鹸を使って丁寧に手を洗いましょう。
特に、指の間や爪の周り、手首までしっかりと洗うことが大切です。
うがいは、のどの粘膜を潤し、細菌やウイルスを洗い流す効果があります。
ぬるま湯でのうがいを1日数回行うことで、扁桃腺炎の予防に役立ちます。
また、外出時にはアルコール消毒ジェルを携帯し、こまめに手指の消毒を行うことも効果的です。
十分な睡眠をとる
十分な睡眠は免疫力を高め、扁桃腺炎をはじめとする様々な感染症から身を守る力を与えてくれます。
妊娠中は体調の変化や不安感から睡眠が乱れがちですが、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
就寝時間と起床時間を一定に保ち、1日7〜8時間の睡眠時間を確保することが理想的です。
寝室の環境を整えるのも効果的で、適度な温度と湿度、静かで暗い環境を作ることで、より良質な睡眠が得られます。
また、就寝前のリラックスタイムを設けることで、心身をリラックスさせ、スムーズな入眠を促すことができます。
バランスの取れた食事を心がける
同時に、免疫力を高めるためにも、ビタミンやミネラルを豊富に含む食事を心がけましょう。
特に、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛は免疫機能の維持に重要な栄養素です。
ビタミンCは柑橘類やキウイ、パプリカなどに多く含まれています。
ビタミンEはナッツ類や植物油、緑黄色野菜に豊富です。
亜鉛は牡蠣やレバー、赤身の肉などに多く含まれています。
これらの食品を積極的に取り入れることで、扁桃腺炎の予防につながります。
また、発酵食品や乳製品を摂取することで、腸内環境を整え、全身の免疫力向上にも役立ちます。
ストレスを溜めすぎない
しかし、過度のストレスは免疫力を低下させ、扁桃腺炎などの感染症にかかりやすくなります。
ストレス解消法は人それぞれですが、軽い運動やヨガ、瞑想などのリラックス法を取り入れてみるのも良いでしょう。
また、趣味の時間を持つことや、信頼できる人と話をすることでも、ストレス軽減につながります。
妊娠中でも安全に行える適度な運動は、ストレス解消だけでなく、血行促進や体力維持にも効果的です。
ただし、運動の種類や強度については、必ず主治医に相談してから始めましょう。
定期健診を受ける
同時に、扁桃腺炎などの感染症の早期発見・早期治療にも役立ちます。
定期的な健診で、体調の変化や気になる症状があれば、遠慮なく医師に相談しましょう。
特に、のどの痛みや発熱などの症状がある場合は、すぐに報告することが重要です。
また、健診時には、現在の体調や生活習慣について詳しく医師に伝え、適切なアドバイスを受けることができます。
自己判断は避け、専門家の意見を聞くことで、安全で健康的な妊娠生活を送ることができます。
定期健診を通じて、医療専門家とのコミュニケーションを大切にし、不安や疑問を解消していくことが、心身ともに健康な妊娠生活につながります。
まとめ
妊娠中の扁桃腺炎は適切な対処が重要です。
休養や水分補給、医師の指示に基づいた薬の使用など、安全な治療法を選択しましょう。
妊娠中は体調の変化に敏感になりがちですが、扁桃腺炎自体が直接胎児に影響を与えることは少ないとされています。
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