黄金色に輝く小さな果実、金柑を見ると何だか縁起が良さそうな気持ちになりませんか。実は金柑には「ん」が入ることから縁起物とされ、おせち料理の定番としても親しまれています。
妊娠中の体に優しい栄養がたっぷり詰まった金柑の世界を、今日はじっくりとご紹介していきましょう。
金柑の基本情報
冬の果物売り場で目を引く金柑は、妊娠中の女性にとっても身近で頼もしい存在です。その特徴や歴史を知ることで、より親しみを感じられるはずです。
小ぶりで皮ごと食べられる柑橘!
金柑は中国原産の柑橘類で、一般的なみかんよりもずっと小さく、皮が薄くて甘みがあるため皮ごと食べられるのが最大の特徴です。大きさは2~3センチ程度で、手のひらにちょこんと収まる愛らしいサイズ感です。果肉は酸味が強く、皮の甘さと絶妙なバランスを楽しめます。
実は金柑の皮には果肉よりも多くの栄養が含まれているため、皮ごと食べることで栄養価を最大限に活用できるのです。生食のほか、甘露煮やジャム、はちみつ漬けなどに加工しても美味しくいただけます。
旬は11月から2月頃で、寒い季節にビタミンCを補給するのにぴったりのタイミングです。最近では温室栽培も盛んになり、年間を通して手に入りやすくなりました。
おせちに入っている理由
金柑がおせち料理に入っているのには、ちゃんとした理由があります。金柑は「金冠」と掛けられ、黄金色の見た目と合わせて富や金運の象徴とされているのです。
また、名前に「ん」が入ることも縁起が良いとされ、おせち料理に加えることで新年の金運上昇や繁栄を願う意味が込められています。
おせち料理の金柑は主に甘露煮として使われ、美しい黄金色が重箱を華やかに彩ります。一口食べると、甘さの中にほんのり苦味が感じられ、大人の味わいを楽しめるのも特徴です。この苦味には「苦労を乗り越える」という意味も込められているとされ、新しい年への希望と決意を表現しているのです。
「庭に植えると縁起が悪い」説の真相は?
時々耳にする「金柑を庭に植えると縁起が悪い」という話について、気になっている方もいらっしゃるでしょう。実は日本では果実が木から落ちることを「命の終わり」と結びつけ不吉とする迷信がありますが、金柑に限った話ではなく、実際には気にしなくて大丈夫です。
風水的には金柑を庭に植えること自体は運気アップにつながるとされています。金柑の木は小ぶりで育てやすく、四季咲き性の品種なら花も長く楽しめるため、観賞用としても人気があります。
【結論】妊娠中も食べられる
金柑は妊娠中も安心して食べられる果物です。ただし、食べる前に表面を丁寧に洗って汚れを落とすことが大切です。特に皮ごと食べる金柑は、農薬や汚れが付着している可能性があるため、流水でよく洗い、気になる場合は野菜用洗剤を使用しても良いでしょう。
購入後すぐに食べる場合は、冬の涼しい場所なら常温保存で問題ありません。室温が高い場合や長期保存なら冷蔵庫の野菜室に保存し、新聞紙やペーパータオルで包んでおくと湿度調整ができて長持ちします。
さらに長持ちさせたい場合は冷凍での保存が適しています。冷凍時は洗ってヘタを取り半分にカット、種を除いてからラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ保存します。冷凍したものは食感が変わるため、ジャムや煮物などに加工して食べるのがおすすめです。
金柑で特に注目したい栄養成分
小さな金柑には、妊娠中の体に嬉しい栄養がぎゅっと詰まっています。皮ごと食べられる特性を活かし、無駄なく栄養を摂取できるのも魅力の一つです。
ビタミンC
金柑のビタミンCは特に皮に多く含まれており、免疫力を高めたり、コラーゲン生成を助けたり、抗酸化作用が期待できます。妊娠中は風邪をひきやすくなったり、肌トラブルに悩まされることも多いため、ビタミンCの豊富な金柑は心強い味方となってくれるでしょう。
妊娠期は通常よりもビタミンCの必要量が増加します。非妊娠時の推奨量が100mgに対し、妊娠中は110mg、授乳中は145mgが推奨されています。
ビタミンCは熱に弱い性質があるため、生で食べることでより効率的に摂取できます。金柑は生食できるので、ビタミンCを無駄なく体に取り入れることができるのです。
食物繊維
金柑には水溶性・不溶性ともに食物繊維が豊富に含まれています。腸内環境の改善や便秘予防に役立つため、便秘に悩みがちな妊娠中の女性にとって嬉しい栄養素です。
妊娠中の便秘は、ホルモンバランスの変化や子宮の拡大による腸の圧迫などが原因で起こりやすくなります。食物繊維は便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促進することで、自然なお通じをサポートしてくれます。
カルシウム
果物の中では珍しく、金柑はカルシウム含有量が多い果物です。骨や歯の健康、むくみ予防に有効で、妊娠中に特に必要とされるミネラルの一つでもあります。
赤ちゃんの骨格形成にも欠かせない栄養素なので、積極的に摂取したいところです。
ビタミンE
ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、細胞の老化防止などに寄与します。
妊娠中は体内の酸化ストレスが増えやすいため、抗酸化作用のあるビタミンEを摂取することで、母体と赤ちゃんの健康維持に役立ちます。
ヘスペリジン
柑橘類の皮に多く含まれるポリフェノールの一種で、血管の健康維持やビタミンCの吸収促進、抗アレルギー作用などが報告されています。皮ごと食べる金柑だからこそ、ヘスペリジンを効率よく摂取できるのです。
金柑を美味しく食べる方法
栄養豊富な金柑を、妊娠中でも安全に美味しく楽しむ方法をご紹介します。バリエーション豊かな食べ方で、飽きることなく金柑の恵みを受け取ることができるでしょう。
生のまま皮ごと食べる
金柑の魅力を最も直接的に味わえるのが、生のまま皮ごと食べる方法です。皮がやわらかく苦味が少ないので、よく洗ってヘタを取り、丸ごと食べるのが一番栄養を無駄なく摂取できます。
食べ方のコツとしては、まず金柑を手のひらで軽く転がして中の果汁を馴染ませることです。こうすることで皮と果肉の味が一体となり、より美味しく食べられます。
金柑の甘露煮
おせち料理でもおなじみの金柑の甘露煮は、金柑を砂糖で煮ることで甘さとほろ苦さのバランスが絶妙な保存食になります。糖分やカロリーに気を付けて適量なら妊娠中も安心して食べられます。
市販の甘露煮は砂糖が多く使われていることが多いため、妊娠中は糖分の摂りすぎに注意が必要です。1日2~3個程度を目安にして、食べすぎないよう気を付けましょう。
手作りの甘露煮は、金柑500gに対して砂糖150~200g程度で作ることができます。金柑に十字の切り込みを入れ、一度茹でこぼしてから砂糖と一緒に煮込みます。煮込む時間は20~30分程度で、煮汁が少なくなってきたら完成です。
甘露煮にすることで日持ちも良くなり、冷蔵庫で1週間程度保存できます。
金柑ジャム
皮ごと刻んで砂糖と一緒に煮詰めると、パンやヨーグルトに合うジャムになります。冷凍金柑でも作れるので、大量に手に入った時や長期保存したい時にもおすすめです。手作りジャムなら添加物の心配もなく、妊娠中でも安心して楽しめます。
朝食のトーストに塗ったり、プレーンヨーグルトにトッピングしたりと、活用方法も豊富です。金柑の爽やかな香りが食欲をそそり、つわりで食欲のない時期にも食べやすいかもしれません。
金柑のはちみつ漬け
輪切りや千切りにしてはちみつに漬けると、のどに優しく、ドリンクやデザートのトッピングにも最適です。はちみつの持つ抗菌作用と金柑のビタミンCで、風邪予防にも効果が期待できます。
お湯で割ってホットドリンクにしたり、炭酸水で割ってさっぱりとした飲み物にしたりと、体調や気分に合わせてアレンジも楽しめます。
まとめ
金柑は小さな体に大きな可能性を秘めた、妊娠中の女性にとって心強い味方です。皮ごと食べられる手軽さと豊富な栄養素で、日々の健康づくりをサポートしてくれます。ビタミンCや食物繊維、カルシウムなど、妊娠期に特に必要とされる栄養を効率よく摂取できるのも魅力的です。
生で食べるのはもちろん、甘露煮やジャム、はちみつ漬けなど、さまざまな調理法で楽しめるのも金柑の良さです。今日から食卓に金柑を取り入れて、穏やかで健やかな妊娠期を過ごしていきましょう。
妊娠サポートナビ.comには金柑以外の妊娠中の食事に関する記事もたくさんあります。ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
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