妊娠中は胎児のためにも健康的な食生活を心がけたいものですよね。
でも、妊婦さんの間では、果物の食べ過ぎや食べてはいけない果物があるのでは?と心配する声もよく聞きます。
そこで今回は、妊娠中の果物摂取について、気をつけたい点やおすすめの果物、最新の研究結果などを詳しくまとめてみました。
妊娠中に食べてはいけない果物はある?
妊娠中は赤ちゃんのために栄養バランスの取れた食事が大切ですが、果物選びにも気を付けたいものですよね。
ここでは、妊娠中に食べ過ぎないほうが良い果物についてご紹介します。
水分量が多い果物
妊娠中は体調管理が大切ですが、中でも体を冷やさないことが重要。スイカ、メロン、梨など水分量の多い果物は、体を冷やす作用があるんです。
とはいえ、適量なら問題ありません。水分補給も大切ですから、ほどほどに楽しむのがおすすめです。
冷やし過ぎないよう、常温に戻してから食べるのも良いでしょう。
他にも、生姜入りの紅茶などの温かい飲み物と一緒に摂ると、体を温める効果が期待できますよ。
冷え対策をしっかりと行い、おいしく果物を味わいましょう。
血糖値を急激に上昇させる果物
妊娠中は血糖値が上がりやすくなるため、果物の食べ方にも気を付けたいものです。
特に、バナナや柿などのカロリーや糖分の高い果物は、間食として食べるのがおすすめ。
体重管理が必要なママさんは、1日の摂取量に注意しましょう。
とはいえ、バナナにはマグネシウムやビタミンB6など、妊娠中に不足しがちな栄養素がたっぷり。柿にはビタミンCや食物繊維が豊富に含まれています。
完熟したものを選び、適量を上手に取り入れることが大切です。
例えば、ヨーグルトにバナナをトッピングしたり、柿は小さめにカットしてお茶うけにしたり。
くだものの魅力を活かしつつ、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
洗浄していない果物
妊娠中は食中毒のリスクが高まるため、食材の衛生管理にはより一層の注意が必要です。
中でも、リステリア菌などの食中毒菌は、土壌や水を介して果物の表面に付着することがあるんです。
例えば、イチゴやぶどうなどの薄皮の果物は、傷みやすく雑菌が繁殖しやすいもの。一つ一つ丁寧に洗い、できれば熱湯をかけるのがおすすめです。
固めの果物なら、ブラシなどを使ってこすり洗いをするのも効果的です。
また、バナナやオレンジなどの皮をむいて食べる果物も、表面に様々な菌が付着している可能性があります。包丁やピーラーを使う前に、しっかりと水洗いをしておきましょう。
カットフルーツは細菌が増殖しやすいため、どうしても食べたい時は、自分で切って早めに食べ切ることが大切です。
清潔なまな板や包丁を使うのはもちろん、手指の消毒も忘れずに。
妊娠中におすすめの果物は?
妊娠中は赤ちゃんの成長に必要な栄養をしっかりと摂取したいものですよね。
そんな時におすすめなのが、ビタミンやミネラルがたっぷり詰まった果物。ここでは、妊娠中に積極的に食べたい果物をご紹介します。
鉄分を多く含む果物
妊娠中は胎児に栄養を与えるため、ママの体内の鉄分が不足しがち。
鉄分は赤ちゃんの発育に欠かせない栄養素なので、意識的に摂りたい成分の一つです。
そんな時におすすめなのが、プルーンやあんず、いちじくなどのドライフルーツ。少量でも鉄分をしっかりと補給できるんです。
中でもプルーンは、他の果物に比べて桁違いの鉄分量を誇ります。便秘解消にも効果的なので、妊娠中の強い味方と言えるでしょう。
また、ぶどうも鉄分が豊富な果物の一つ。ポリフェノールの一種であるレスベラトロールを含み、抗酸化作用が期待できます。
鉄分は吸収率が低い栄養素なので、ビタミンCと一緒に摂ると効果的です。オレンジやグレープフルーツなどと組み合わせてみましょう。
ビタミンCを多く含む果物
妊娠中は免疫力が低下しやすいので、ビタミンCをしっかりと摂ってウイルスから身を守りたいもの。
そこでおすすめなのが、ビタミンCを豊富に含むオレンジやグレープフルーツなどの柑橘系果物。また、イチゴや柿もビタミンCが豊富です。
ビタミンCは水溶性なので、体内に蓄えることができません。毎日の食事でこまめに補給することが大切です。
また、先述の通りビタミンCには鉄分の吸収を助ける働きも。貧血予防のためにも、目安内で意識して食べたい果物ですね。
爽やかな果物の酸味は食欲をそそり、リフレッシュ効果も抜群です。
葉酸を多く含む果物
妊娠初期に重要とされる葉酸は、赤ちゃんの健やかな発育を支える栄養素として知られています。
特に妊娠初期は、先天性の異常を防ぐためにも欠かせない栄養素です。いちご、キウイ、アボカドに豊富に含まれます。
1日あたりの推奨量は400μgとされていますが、果物なら手軽に摂取できるのが嬉しいポイント。いちごなら、1パック(200g)で1日の推奨量の約30%を補えます。
葉酸は水溶性で熱に弱いため、果物は生で食べるのがおすすめ。
皮をむくなどの下準備をしっかり行い、フレッシュな果物本来の美味しさを味わってみてください。
【気になる】妊娠中の果物摂取に関する研究
妊娠中のママにとって、どのような果物を食べるべきか、どれくらいの量が適切なのか、気になるところですよね。
ここでは、最新の研究から見えてきた、妊娠中の果物摂取と胎児の発育や子供の将来への影響について、詳しく解説していきます。
果物摂取で子供の認知機能向上?
カナダのアルバータ大学の研究チームは、妊娠中の母親の食事と、生まれた子供の認知機能との関連性を調査しました。
妊娠中に果物を多く摂取していた母親から生まれた子供は、言語理解力や記憶力、問題解決能力などの認知機能が優れていることが明らかになったのです。
この研究では、特にベリー類やリンゴ、バナナなどの果物摂取量が多かった母親の子供で、顕著な効果が見られたそうです。
果物に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が、胎児の脳の発達を促進するのではないかと考えられています。
抗酸化物質で行動的問題を防げる?
愛媛大学の研究グループが行った調査では、妊娠中にりんごや柑橘類などの果物を積極的に食べていた母親から生まれた子供は、多動性障害(ADHD)や反抗挑戦性障害などの行動的問題を抱えるリスクが低いことが分かりました。
これらの果物に豊富に含まれるポリフェノールなどの抗酸化物質が、胎児の脳の発達に良い影響を与えるのではないかと推測されます。
また、抗酸化物質は胎盤の機能を高め、胎児への酸素や栄養の供給を円滑にしてくれる効果もあるそうです。
ストレスなどによって活性酸素が増加しやすい妊娠中に、抗酸化物質を意識的に摂ることが大切なのかもしれませんね。
適量の果物摂取は妊娠糖尿病に影響しない?
妊娠糖尿病は、妊娠中の女性に多くみられる合併症の一つです。果物に含まれる糖分を気にするママも多いのではないでしょうか。
最近の研究では、適量の果物摂取は妊娠糖尿病のリスクを高めないことが示唆されています。
米国の大規模な調査では、妊娠中に1日に2〜3人前の果物を食べていた女性は、ほとんど果物を食べなかった女性に比べて、妊娠糖尿病を発症するリスクが低かったそうです。
一方、1日に5人前以上の果物を摂取していた女性では、リスクがやや高まる傾向が見られました。果物に含まれる食物繊維が、血糖値の急激な上昇を抑える効果があるのかもしれませんね。
まとめ
妊娠中は食べてはいけない果物があるわけではありませんが、水分量の多い果物冷え性のママは食べ過ぎないように気を付けましょう。
また、
一方で、鉄分やビタミンC、葉酸を多く含む果物は積極的に摂取することで、貧血予防や免疫力アップ、胎児の健康にもつながるでしょう。
最新の研究によると、妊娠中の果物摂取が子供の認知機能向上や行動的問題の予防にも影響することが示唆されています。
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