妊娠中の食事で気になるのが、魚の水銀量ですよね。特に高級魚として人気の「のどぐろ」について、本当に食べても大丈夫なのか心配になる方も多いでしょう。実は、のどぐろは妊娠中でも安心して楽しめる魚のひとつなんです。
水銀量が少なく、栄養価も高いので、正しい知識を持って上手に取り入れれば、お腹の赤ちゃんにも良い影響をもたらしてくれます。妊娠中ののどぐろ摂取について詳しく見ていきましょう。
のどぐろ(ノドグロ)の基本情報
のどぐろについて詳しく知ることで、妊娠中でも安心して食べられる理由がよく分かります。まずは基本的な情報から見ていきましょう。
のどぐろ(ノドグロ)ってどんな魚?
のどぐろの正式名称はアカムツで、日本海を中心とした深海に住む高級魚です。その名前の由来は、口の奥が真っ黒になっていることから付けられました。
特に注目すべきは「白身のトロ」とも呼ばれるその味わいです。白身魚でありながら脂がたっぷりとのっていて、とろけるような食感が楽しめます。それでいて高タンパク・低カロリーという優秀な栄養バランスを持っているんです。
妊娠中は体重管理も大切ですが、のどぐろなら栄養をしっかり摂りながらもカロリーを抑えることができます。上品な味わいで食欲がないときでも食べやすく、つわりの時期にもおすすめです。
のどぐろの水銀量はどれくらい?
妊娠中に最も気になるのが、魚に含まれる水銀の量ですよね。厚生労働省が公表しているデータによると、のどぐろ(アカムツ)の水銀量は0.027〜0.260μg/g、平均0.187μgとなっています。
この数値がどの程度安全なのか分かりやすく説明すると、厚生労働省が妊娠中の摂取を制限している魚(キンメダイやメカジキなど)の水銀量と比べて、大幅に少ない値です。つまり、のどぐろは妊娠中でも特別な制限なく食べられる魚に分類されています。
妊娠中でも食べられる!
のどぐろ(一般的にアカムツのことを指す)は、妊娠中に摂取量を特別制限する必要がない魚です。水銀量が少ないため、週に2〜3回食べても問題ありません。
ただし、妊娠中は食中毒や寄生虫のリスクを避けるため、生食は控えることが大切です。のどぐろを安全に楽しむなら、しっかり火を通す調理法を選びましょう。
おすすめの調理法は、塩焼き、煮つけ、蒸し物、干物にしたものを焼いて食べる方法などです。どの調理法でも、のどぐろの上品な味わいと栄養をしっかり摂ることができます。特に煮つけにすると、煮汁にも栄養が溶け出すので、より効率的に栄養摂取できますよ。
のどぐろで注目したい栄養成分
のどぐろは美味しいだけでなく、妊娠中に必要な栄養素もたっぷり含んでいます。特に注目したい栄養成分について詳しく見ていきましょう。
DHA・EPA
のどぐろに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、「オメガ3脂肪酸」として知られる重要な栄養素です。
DHAは赤ちゃんの脳や神経系の発達に欠かせない栄養素で、妊娠中から授乳期にかけて特に重要とされています。また、お母さん自身の心血管系の健康維持や血液サラサラ効果も期待できます。
EPAは産後うつの予防効果についても研究が進んでいる注目の栄養素です。
ビタミンB群
のどぐろにはビタミンB1、B2、ナイアシンなどのビタミンB群が含まれています。妊娠中は基礎代謝が上がるため、エネルギー代謝を助けるビタミンB群の需要が高まります。
ビタミンB1は、お腹の中の赤ちゃんの神経系の形成に重要な栄養素です。つわりを予防する働きがあると言われており、意識的に摂取することが推奨されています。
ナイアシンはエネルギー代謝や細胞の成長に関わり、お腹の中の赤ちゃんの健やかな発育に必要な栄養素です。葉酸の消化・吸収を助ける働きがあり、妊娠初期の赤ちゃんの発育サポートが期待できます。
ビタミンE
のどぐろに含まれるビタミンEは、強い抗酸化作用を持つ栄養素です。体内の酸化ストレスを軽減し、細胞の老化を防ぐ働きがあります。
さらに、ビタミンEは皮膚の健康維持にも欠かせません。妊娠線の予防や、ホルモンバランスの変化による肌荒れ対策としても効果が期待できます。
カリウム
のどぐろに含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、血圧の調整に重要な役割を果たします。妊娠中は体内の水分バランスが変化しやすく、むくみに悩む方も多いですが、カリウムはそんな症状の予防・改善に効果的です。
また、筋肉や神経の正常な働きを保つためにも欠かせないミネラルです。妊娠中期以降に起こりやすいこむら返りの予防にも役立ちます。
カルシウム
カルシウムは骨や歯の健康維持に不可欠で、のどぐろにも豊富に含まれています。妊娠中は赤ちゃんの骨格形成のために多くのカルシウムが必要になり、不足するとお母さんの骨や歯からカルシウムが奪われてしまいます。
のどぐろだけでは1日の推奨量には届きませんが、他の食材と組み合わせることで効率的に栄養摂取できます。特に乳製品や小魚、緑黄色野菜と一緒に摂ると、カルシウムの吸収率も高まります。
【妊娠中×のどぐろ】よくある質問
妊娠中にのどぐろを食べる際によく寄せられる質問に、丁寧にお答えしていきます。正しい知識を持つことで、安心して美味しいのどぐろを楽しめますよ。
Q. のどぐろの刺身は妊娠中も食べていい?
新鮮なのどぐろであっても、妊娠中の生食は避けるのが無難です。生魚には食中毒の原因となる細菌や寄生虫が潜んでいる可能性があり、妊娠中は免疫力が低下しているため、感染リスクが高まります。
特に注意したいのが、アニサキスという寄生虫です。のどぐろにも寄生していることがあり、生で食べると激しい腹痛や嘔吐を引き起こす可能性があります。妊娠中にこのような症状が起こると、治療の選択肢も限られてしまいます。
代わりに、塩焼きや煮つけなどの加熱調理を選べば、リスクが大幅に下がります。のどぐろは加熱しても身がふっくらと仕上がり、上品な味わいを楽しめます。特に煮つけは、出汁と一緒に栄養も摂取でき、体も温まるのでおすすめです。
Q. のどぐろの水銀量は胎児に影響しない?
のどぐろの水銀量は非常に少なく、厚生労働省の基準でも妊婦が通常の食事で摂取して問題ないレベルです。週に2〜3回食べても、水銀による胎児への影響はほとんど心配ありません。
また、妊娠に気づく前に水銀の多い魚を食べてしまった場合でも、過度に心配する必要はありません。胎盤が完成する妊娠4ヶ月頃までに摂取した水銀は、体内で徐々に排出されるため、妊娠に気づいてから気をつければ大丈夫です。
Q. のどぐろ以外で妊娠中も安心して食べられる魚は?
のどぐろと同様に、妊娠中でも安心して食べられる魚はたくさんあります。アジ、サバ、サケ、タイ、ブリ、カツオ、イワシ、サンマなどは、水銀量が少なく栄養価も高い優秀な魚です。
一方で、キンメダイ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、金目鯛などは水銀量が多いため、妊娠中は摂取量を控えることが推奨されています。これらの魚は完全に避ける必要はありませんが、週に1回程度に留めておくのが安全です。
まとめ
のどぐろは妊娠中でも安心して食べられる、栄養価の高い優秀な魚です。水銀量が少なく、DHA・EPAをはじめとする重要な栄養素が含まれているため、お母さんと赤ちゃんの健康をサポートしてくれます。
ただし、妊娠中は生食を避け、しっかりと火を通した調理法を選ぶことが大切です。塩焼きや煮つけ、蒸し物など、どの調理法でものどぐろの美味しさと栄養を堪能できます。
バランスの良い食事の一部として、のどぐろのような安全で栄養価の高い魚を取り入れることで、より豊かなマタニティライフを送ることができるでしょう。
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