運動習慣のある方でも、妊娠中は普段と同じように運動を続けてよいのか迷うもの。特にフロントランジは、バランスを崩しやすい運動なので注意が必要です。
ですが、適切な運動は、快適な妊婦生活をサポートしてくれる強い味方になります。
妊娠中にフロントランジをやってOK?
フロントランジは効果的な下半身の運動ですが、妊娠中は特に慎重な判断が必要です。運動強度や身体への負担を正しく理解することが大切です。
フロントランジとは
フロントランジは下半身を鍛える代表的な運動の一つです。片足を大きく前に踏み出してしゃがみ込む動作を繰り返すことで、太もも全体とお尻の筋肉に刺激を与えます。
通常のスクワットと比べて、より多くの筋肉を同時に使う複合的な運動であり、体幹の安定性を高める効果も期待できます。
股関節の可動域を広げる効果もあるため、日常生活での動作改善にも役立ちます。
【結論】運動に慣れていない方は要注意!
妊娠中のフロントランジは、特に運動習慣のない方には推奨できません。深くしゃがみ込む動作は、バランスを崩すリスクが高いためです。
妊娠中期以降は体重増加と重心の変化により、通常以上に転倒のリスクが高まります。
運動習慣がある方でも、妊娠中は体調の変化が日々異なるため、その日の体調に合わせた運動強度の調整が必要です。
代わりに取り組める運動
フロントランジの代わりに、安全に下半身を鍛えられる運動がたくさんあります。以下の運動は、自宅でも安全に取り組めます。
壁スクワットは、背中を壁につけて行うことで安定感が増します。足を肩幅に開き、膝が足先より前に出ないように注意しながら、ゆっくりと腰を落としていきます。膝は90度程度までの角度を目安に、呼吸を止めないよう意識しながら行います。
寝た状態で行うヒップリフトは、特におすすめの運動です。仰向けで膝を立て、かかとで床を押しながらお尻を持ち上げます。骨盤底筋群や大殿筋、ハムストリングスを同時に鍛えられる、効率の良い運動です。
また、室内でも気軽に始められる有酸素運動として、その場足踏みや踏み台昇降運動もおすすめです。これらの運動は、心肺機能の向上と共に、下半身の筋力アップにも効果的です。
踏み台昇降運動は、低い台から始めて徐々に高さを調整していくことで、安全に運動強度を上げることができます。
筋トレ・運動を安全に行うコツ
妊娠中の運動は、いくつかの重要なポイントを押さえることで、より安全に実施できます。日々変化する体調に合わせて、柔軟に対応することが大切です。
医師に運動可否を確認する
運動を始める前に、必ず担当医に相談しましょう。妊娠初期は特に慎重な対応が必要で、安定期に入るまでは激しい運動を控えめにします。
切迫流産や切迫早産の兆候がある場合、妊娠高血圧症候群の場合は、運動を控える必要があります。
また、双胎妊娠の場合も、通常の妊婦さんより早い時期から運動制限が必要になることがあります。
転倒の危険があるメニューは避ける
安全な場所で、できるだけ支えのある状態で運動することが大切です。立位での運動は、椅子や手すりを使って支えを確保します。
床が滑りやすい場所は避け、運動しやすい服装を心がけます。また、腹部を圧迫する姿勢や、はずみをつけた動き、急な方向転換は避けましょう。
こまめに休憩をとる
運動中は体調の変化に敏感になることが大切です。5分程度の運動ごとに小休憩を入れ、水分補給と体調チェックを行います。
特に気温の高い時期は、こまめな水分補給が重要です。室温や湿度にも注意を払い、暑さ対策も忘れずに。胎動の確認も定期的に行い、いつもと様子が違う場合は運動を中止しましょう。
普段通りの呼吸を意識する
力む動作は赤ちゃんに負担がかかる可能性があります。運動中も普段通りの呼吸を心がけ、呼吸を止めたままの状態は避けます。
特にスクワットなどの負荷のかかる運動では、力みすぎて呼吸が止まりがちです。動作のペースをゆっくりにして、呼吸と動作のリズムを整えることを意識しましょう。
【重要】無理なく取り組む
腹痛やめまい、息切れ、出血など、普段と違う症状が出たら、すぐに運動を中止して医師に相談しましょう。また、強い眠気や疲労感を感じる場合も、その日の運動は控えめにしてください。
妊婦さんにも筋トレがおすすめな理由って?
適度な運動は、妊娠中の体調管理に様々なメリットをもたらします。ただし、運動強度は徐々に上げていくことが重要です。
お産に向けた体づくりをサポートできる
出産に向けて体力をつけておくことは、とても重要です。妊娠中から産後まで、心身ともに大きな負担がかかるため、適度な運動で体力の維持・向上を目指すことをおすすめします。
特に下半身の筋力は、分娩時の姿勢保持に重要な役割を果たします。また、有酸素運動と組み合わせることで、出産時に必要な持久力も養うことができます。
腰痛の予防・改善が期待できる
妊娠後期になると、おなかの重みで腰に負担がかかりやすくなります。適度な筋トレで背筋や腹筋を整えることで、腰への負担を軽減できます。
妊娠中は重心が前に移動することで、自然と反り腰になりがちです。正しい姿勢を保つことも、腰痛予防につながります。
体幹を意識的に使うことで、姿勢の改善も期待できます。
尿漏れの予防・改善が期待できる
骨盤底筋を意識した運動は、出産後の尿漏れ予防に効果的です。また、骨盤の安定性が高まることで、妊娠中の不快感も軽減できます。
骨盤底筋は、内臓を支える重要な役割を担っています。妊娠中から意識的に鍛えることで、産後の回復もスムーズになります。
まとめ
妊娠中の運動は、安全に配慮しながら無理のない範囲で行うことが重要です。フロントランジのような難度の高い運動は避け、安全な運動から始めることをおすすめします。
特に運動に慣れていない方は、まずは軽いウォーキングやストレッチから始めるのがよいでしょう。徐々に運動強度を上げていくことで、体も運動に慣れていきます。また、体調の変化が大きい妊娠中は、日々の体調に合わせて柔軟に運動メニューを調整することも大切です。
医師に相談しながら、自分に合った運動を見つけていきましょう。運動を続けることで、出産に向けた体づくりや、快適な妊婦生活を送ることができますよ。
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