妊娠中の小さな幸せのひとつ、甘いものを食べる時間。特に濃厚でなめらかなチーズケーキは、多くの女性が妊娠中も食べたいと思うスイーツのひとつです。でも「チーズを使うから危険じゃないの?」「どんな種類なら安心して食べられるの?」と心配になることもありますよね。実は、チーズケーキには加熱するタイプと加熱しないタイプがあり、妊婦さんが食べる際の安全性が異なります
今回は妊娠中に安心して食べられるチーズケーキの種類や選び方について詳しくご紹介します。ホルモンバランスの変化や体調不良で気持ちが落ち込みがちな妊娠期間中、ほっと一息つける甘いひとときを安全に楽しむためのポイントを知っておきましょう。
妊娠中にチーズケーキを選ぶならどれが安全?注意すべき種類は?
チーズケーキといっても様々な種類があり、妊娠中は特に安全性を考慮して選ぶことが大切です。一般的に、しっかりと加熱されたチーズケーキは食中毒の原因となるリステリア菌などの心配が少なく、安心して食べることができます。一方で、加熱されていないタイプのチーズケーキは注意が必要です。それぞれの種類について、妊婦さんが安心して食べられるかどうかを見ていきましょう。
【OK】ベイクドチーズケーキ
ベイクドチーズケーキは、その名の通り「焼く」ことで作られるチーズケーキです。クリームチーズに卵や砂糖、生クリームなどを混ぜ合わせ、オーブンでじっくり焼き上げるため、加熱によって食中毒の原因となる菌が死滅します。濃厚でしっかりとした食感が特徴で、一口食べると口の中でとろけるような満足感があります。
妊娠中はホルモンバランスの変化で甘いものが欲しくなることも多いですが、ベイクドチーズケーキなら加熱済みなので安心して楽しむことができます。
【OK】ニューヨークチーズケーキ
ニューヨークチーズケーキは、ベイクドチーズケーキの一種で、クリームチーズの量が多く使われることが特徴です。通常のベイクドチーズケーキよりもさらに濃厚で、食べ応えのある味わいを楽しめます。
低温でじっくりと湯煎焼きにすることで、しっとりとした食感になり、より滑らかな舌触りが楽しめるのが魅力です。
ニューヨークチーズケーキの濃厚な味わいが妊娠中の甘い物欲求を満たしてくれることも。もし自宅で作る場合は、クリームチーズが常温に戻ってからミキサーで混ぜると、なめらかな生地に仕上がります。
【OK】バスクチーズケーキ
近年人気が高まっているバスクチーズケーキは、高温で一気に焼き上げることで表面が香ばしく焦げ、中はとろりとした食感が特徴です。スペインのバスク地方が発祥とされるこのチーズケーキは、高温でしっかり焼き上げるため、リステリア菌などの心配がほとんどなく、妊婦さんにも安心して食べられます。
表面の焦げ目は糖分がカラメル化したもので、ほろ苦い風味が加わることでチーズの濃厚さとのバランスが絶妙です。妊娠中は味覚が敏感になっていることも多いので、このような複雑な味わいが特別においしく感じられるかもしれません。家庭で作る場合も、シンプルな材料で作れるレシピが多いので、妊娠中の不安を感じることなく安心して楽しめます。
【OK】スフレチーズケーキ
スフレチーズケーキは、その名の通りスフレのようにふわっと軽い食感が特徴のチーズケーキです。卵白を泡立てて混ぜ込むことで、空気を含んだ軽い口当たりになります。通常、湯せん焼きで中まで均一に加熱されるため、妊婦さんでも安心して食べることができます。
妊娠中は胃が圧迫されて重たい食べ物を食べにくくなることも多いですが、スフレチーズケーキなら軽い食感で食べやすいでしょう。しかし、ふわふわして食べやすいからといって、つい食べ過ぎてしまうことがあるので注意が必要です。
【要注意】レアチーズケーキ
レアチーズケーキは、クリームチーズやサワークリームなどを混ぜ合わせて冷やし固めるタイプのチーズケーキです。オーブンで加熱せずに作るため、使用する材料によってはリステリア菌などの食中毒菌が残っている可能性があります。妊娠中はリステリア菌への感染リスクを避けることが重要なので、市販や外食のレアチーズケーキは避けるのが無難です。
どうしてもレアチーズケーキが食べたい場合は、国産で加熱殺菌済みと明記されたクリームチーズを使用して自宅で手作りするという選択肢もあります。その際も、使用する器具や手をしっかり洗浄し、衛生面に気を配ることが大切です。
妊娠中にチーズケーキを食べるとき気を付けたいこと
加熱タイプのチーズケーキなら妊娠中でも安心して食べられることがわかりましたが、それでも気をつけたいポイントがいくつかあります。妊娠中はただでさえ体調の変化や体重管理に気を使う時期。チーズケーキを楽しむ際にも、いくつかの注意点を心に留めておくことで、より安全に、そして健康的に妊娠生活を送ることができます。
食べすぎは避ける
チーズケーキは非常においしいですが、カロリーや脂質が高いため、食べ過ぎると体重増加や妊娠糖尿病のリスクが高まる可能性があります。妊娠中は適切な体重管理が母子ともに健康を維持するために重要です。特に妊娠後期は胃が圧迫されやすく、少量でもお腹がいっぱいになりがちですので、食べる量に注意しましょう。
また、チーズケーキと一緒にハーブティーや温かいミルクなどの飲み物を楽しむと、満足感がアップします。カフェインレスのお茶やホットミルクなどは、妊娠中でも安心して飲めるものが多いので、ゆっくりとティータイムを楽しむのも良いですね。
消費期限や保存方法を守る
チーズケーキは乳製品を多く含むため、傷みやすい食品です。手作りしたものも市販品も、消費期限内に食べることが非常に重要です。特に妊娠中は食中毒のリスクを避けるために、食品の鮮度には普段以上に気を配るべきでしょう。
保存は必ず冷蔵庫で行い、開封後はできるだけ早く食べきるようにしましょう。また、手作りする場合は材料の購入から調理、保存まで衛生管理に気をつけましょう。使用する器具はしっかり洗浄し、手も清潔に保つことが大切です。妊娠中は免疫力が低下していることもあるので、食品の取り扱いには特に慎重になりましょう。
アルコールを使ったものには要注意!
チーズとアルコールは相性がよく、洋酒やリキュール、酒粕などを使用したチーズケーキも販売されています。しかし、妊娠中はたとえ微量であってもアルコールの摂取は避けることが推奨されています。胎児のアルコール症候群のリスクを避けるためにも、アルコールが含まれる可能性のあるチーズケーキは控えるようにしましょう。
市販のチーズケーキを購入する際は、原材料表示をよく確認し、ブランデーやラム酒などのアルコール類が入っていないか確認することが大切です。カフェやレストランで注文する場合も、アルコールが使われていないかをスタッフに確認するとより安心です。
妊娠中におすすめのチーズケーキレシピ
安全に食べられるチーズケーキの種類や注意点がわかったところで、妊娠中でも安心して楽しめるおすすめのレシピをご紹介します。自宅で作れば材料も調理法も自分でコントロールできるので、より安全に食べることができますね。体調や気分に合わせて、シンプルなものから時短レシピ、ヘルシーなものまで、いくつかのレシピをご紹介します。
シンプル材料で作るベイクドチーズケーキ
シンプルな材料で作るベイクドチーズケーキは、妊婦さんでも安心して食べられる定番レシピです。クリームチーズ、卵、生クリーム、砂糖、薄力粉、レモン汁という基本的な材料だけで、本格的な味わいを楽しむことができます。
材料(18cm丸型1台分) | 分量 |
---|---|
クリームチーズ(室温に戻したもの) | 300g |
砂糖 | 80g |
卵(M) | 2個 |
生クリーム | 100ml |
薄力粉 | 大さじ1 |
レモン汁 | 小さじ1 |
ビスケット(土台用) | 100g |
無塩バター(溶かしたもの) | 50g |
- まずビスケットを細かく砕いて溶かしたバターと混ぜ、型に敷き詰めて冷蔵庫で冷やします。
- 次に室温に戻したクリームチーズをなめらかになるまで混ぜ、砂糖を加えてさらに混ぜます。
- 卵を一つずつ加えて混ぜた後、生クリーム、薄力粉、レモン汁を加えて滑らかになるまで混ぜ合わせます。
- 生地をビスケット台の上に流し入れ、180℃のオーブンで約45〜50分焼き上げます。
焼き上がったら、オーブンの扉を少し開けてゆっくり冷まし、型から取り出して粗熱が取れたら冷蔵庫で3時間以上冷やします。冷やすことでしっとりとした食感になり、より美味しく仕上がりますよ。
レンジで時短チーズケーキ
妊娠中は疲れやすかったり、長時間立っていることが辛かったりすることもあります。そんなときでも簡単に作れる電子レンジを使った時短チーズケーキレシピがおすすめです。プロセスチーズ(スライスチーズ)やヨーグルトを使うことで、手軽に安全なチーズケーキを作ることができます。
材料(小さめ耐熱容器1個分) | 分量 |
---|---|
プロセスチーズ(スライスチーズ) | 2枚 |
プレーンヨーグルト | 100g |
卵 | 1個 |
砂糖 | 大さじ2 |
小麦粉 | 大さじ1 |
バニラエッセンス | 少々 |
作り方はとても簡単です。
- スライスチーズを小さく切って耐熱ボウルに入れ、電子レンジで20秒ほど加熱して柔らかくします。
- そこにヨーグルト、卵、砂糖、小麦粉、バニラエッセンスを加えて、よく混ぜ合わせます。
- 混ぜた生地を耐熱容器に流し入れ、600Wの電子レンジで5~6分加熱します。
- 竹串を刺して生地がついてこなければ加熱完了です。
もし生地がついてくる場合は、さらに30秒ずつ様子を見ながら加熱しましょう。加熱が終わったら粗熱を取り、冷蔵庫でしっかり冷やせば出来上がりです。
電子レンジで作るチーズケーキは、オーブンを使うレシピよりも短時間で完成するので、妊娠中の体力やエネルギーを温存できるのが嬉しいポイントです。また、少量ずつ作れるので食べ過ぎを防ぐことにも繋がります。
チーズケーキ風ヘルシーデザート
妊娠中は体重管理も大切ですが、かといって我慢ばかりするのもストレスになります。そこで、通常のチーズケーキよりもカロリーや糖質を抑えつつ、チーズケーキのような濃厚な味わいが楽しめるヘルシーなデザートはいかがでしょうか。
材料(小さめ耐熱容器2個分) | 分量 |
---|---|
低脂肪ギリシャヨーグルト | 200g |
クリームチーズ(低脂肪タイプ) | 50g |
卵 | 1個 |
甘味料 | 大さじ2〜お好みで |
レモン汁 | 小さじ1/2 |
バニラエッセンス | 少々 |
作り方は次の通りです。
- まず低脂肪クリームチーズを室温に戻し、なめらかになるまで混ぜます。
- そこにギリシャヨーグルト、卵、甘味料、レモン汁、バニラエッセンスを加えて、よく混ぜ合わせます。
- 混ぜた生地を小さめの耐熱容器に分け入れ、電子レンジで2分ほど加熱します。
- 様子を見ながら、必要に応じてさらに30秒ずつ加熱し、竹串で火の通りを確認しましょう。
- 加熱後は冷蔵庫でしっかり冷やすと、よりしっかりとした食感になります。
このヘルシーバージョンは通常のチーズケーキに比べてカロリーや脂質を抑えることができるので、体重管理が気になる妊婦さんでも罪悪感なく楽しむことができます。また、ギリシャヨーグルトはたんぱく質が豊富なので、栄養価の面でもメリットがあります。
まとめ
妊娠中のチーズケーキ選びについて詳しく見てきました。ベイクド、ニューヨーク、バスク、スフレといった加熱タイプのチーズケーキは、加熱によってリステリア菌などの心配が少なく、妊婦さんでも比較的安心して食べることができます。
一方で、レアチーズケーキは加熱していないため、材料によってはリスクが残る可能性があるので、避けるか、作る場合は加熱殺菌済みの材料を使うなどの注意が必要です。妊娠中は様々な制限があって大変なこともありますが、食べることは日々の楽しみの一つ。安全性に配慮しながらも、美味しいものを楽しむことでリラックスし、心身ともに健やかに過ごせるといいですね。
少しの工夫で、妊娠中でもチーズケーキを安全に楽しむことができます。妊娠サポートナビ.comには妊娠中の食事や安全な食べ物に関する記事もたくさんあります。ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
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