秋の味覚の代表格として親しまれている栗。実は妊婦さんにとって嬉しい栄養がたくさん含まれている優れた食材なんです。
栗には葉酸やビタミンC、食物繊維が豊富に含まれており、妊娠中の栄養補給にぴったりの食材として注目されています。
この記事では、妊娠中の栗の食べ方や注意点、おすすめの産地や品種についてご紹介していきます。
妊娠中の栗摂取について
妊娠中の食事では気を付けなければならないことが数多くありますが、栗は適切に調理して食べれば安全な食材です。栄養価も高く、季節の恵みを存分に楽しめる食材として、産婦人科医からも推奨されています。
妊婦さんも栗は食べてOK
栗は妊婦さんでも安心して食べられる食材です。むしろ、妊娠中に必要な栄養素が豊富に含まれているため、積極的に取り入れたい食材の一つといえます。
妊娠初期から後期まで、時期を問わず摂取できる食材として認めています。ただし、生の栗は避け、必ず加熱調理したものを食べるようにしましょう。
加熱することで消化も良くなり、栄養も効率よく体に取り入れることができます。
栗に含まれる栄養成分
栗には妊婦さんに嬉しい栄養成分が豊富に含まれています。特に重要なのは葉酸で、赤ちゃんの神経管の正常な発達をサポートする必須栄養素です。100gあたり約28μgの葉酸が含まれており、1日の推奨摂取量の約7%を補うことができます。
また、ビタミンCも豊富で、免疫力の維持や鉄分の吸収を助ける効果があります。100gあたり約29mgのビタミンCが含まれており、これは1日の推奨量の約29%に相当します。
食物繊維も豊富で、100gあたり約3.8g含まれており、妊娠中の便秘予防に効果的です。
さらに、カリウムやマグネシウムなどのミネラル類も含まれており、むくみの予防や筋肉の収縮を助ける働きがあります。
妊娠中の適切な摂取量
栗は栄養価が高い反面、カロリーと糖質も比較的多く含まれています。1日の適量は大きめの栗で5個程度(約50g)、小ぶりなものでも10個まで(約25g)を目安にしましょう。
この量であれば、血糖値の急激な上昇を抑えながら、必要な栄養素を効率的に摂取することができます。食べ過ぎは血糖値の急上昇につながる可能性があるため、食事のバランスを考えながら適量を心がけることが大切です。
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクがある方は、主治医に相談の上で摂取量を調整することをおすすめします。
栗のおすすめ産地・品種をご紹介!
日本各地には様々な栗の産地があり、それぞれ特徴のある栗が栽培されています。産地や品種によって味や香り、食感が異なるため、好みに合わせて選んでみましょう。
おすすめの国内主要産地
国内の主要な栗の産地には、茨城県、熊本県、愛媛県、岐阜県などがあります。茨城県は生産量日本一を誇り、特に笠間の栗は大粒で甘みが強いことで知られています。収穫時期は9月上旬から始まり、品質管理も徹底されています。
熊本県の栗は肉質が緻密で上品な甘さが特徴で、特に球磨地方の栗は香りが良く、栄養価も高いとされています。愛媛県の栗は糖度が高く、特に西条市の栗は「富士栗」という品種が有名です。岐阜県の栗は、中津川市を中心に栽培されており、渋皮が薄く、剥きやすいのが特徴です。
妊婦さんに適した品種
栗の品種は数多くありますが、妊婦さんには食べやすい品種がおすすめです。丹沢栗は早生種で甘みが控えめなため、妊娠中の甘いものを控えめにしたい方に適しています。また、渋皮が薄く、加熱調理がしやすいのも特徴です。筑波栗は果肉が粉質で香り豊かなため、少量でも満足感が得られます。栄養価も高く、特にビタミンCと食物繊維が豊富です。
利平栗は大粒で食べ応えがあり、糖度も高めですが、加熱調理することで甘みが程よくなります。石鎚栗は中粒で扱いやすく、甘みと香りのバランスが良い品種です。銀寄栗は晩生種で、収穫時期が遅いですが、貯蔵性に優れており、長期保存が可能です。
和栗と甘栗の違い
和栗と甘栗では栄養価や味わいに大きな違いがあります。甘栗は加工過程で栄養価が変化し、カロリーが高めになります。一方、和栗はビタミンCが豊富で、自然な甘みを楽しめます。水分量も和栗の方が多く、ホクホクとした食感が特徴です。
甘栗は加工時に砂糖が添加されることが多く、エネルギー量が増加します。100gあたりのカロリーを比較すると、和栗が約154kcalなのに対し、甘栗は約200kcalとなっています。
また、加工過程でビタミンCが減少するため、栄養面では和栗の方が優れています。ただし、甘栗は手軽に食べられる上、保存期間も長いため、忙しい妊婦さんにとっては便利な選択肢となります。
妊婦さんの栗摂取で気を付けたいこと
栗を安全に楽しむために、いくつかの重要な注意点があります。正しい知識を持って、美味しく栄養補給をしましょう。特に妊娠中は免疫力が低下しやすい時期のため、食品の取り扱いには十分な注意が必要です。
生の栗は避ける
生の栗は絶対に食べないようにしましょう。生栗には食中毒の原因となる細菌が付着している可能性があり、妊婦さんは特に注意が必要です。また、生栗には消化を妨げる成分も含まれています。必ず加熱調理したものを食べることが大切です。加熱により有害な細菌を殺菌でき、消化も良くなります。
電子レンジでの加熱は便利ですが、生栗の場合は加熱ムラが生じやすいため、茹でるか蒸すことをおすすめします。茹で時間の目安は、中サイズの栗で15分程度です。竹串がスッと通るくらいまで加熱することで、安全に食べることができます。
渋皮の食べすぎを避ける
栗の渋皮にはタンニンという成分が含まれており、鉄分の吸収を妨げる可能性があります。特に貧血気味の方は、渋皮を控えめにすることをおすすめします。タンニンは水溶性の成分のため、茹でることである程度除去することができます。渋皮を剥いて食べるか、渋皮煮など加工品を適量摂取するようにしましょう。
ただし、渋皮にも食物繊維やポリフェノールなどの有用な成分が含まれているため、完全に避ける必要はありません。鉄分の補給が特に必要な時期を除いては、適度に摂取することで栄養価の高い食事を楽しむことができます。
ヘルシーな調理法で楽しむ
栗は調理法によって味わいが大きく変わります。茹でた栗や焼き栗は、素材本来の甘みを楽しめる基本的な調理法です。また、電子レンジで加熱する方法も手軽で便利です。
まず栗の殻に切り込みを入れ、たっぷりの水で15-20分茹でます。竹串がスッと通るまで茹でることで、ホクホクとした食感が楽しめます。茹で上がったら、熱いうちに殻と渋皮を剥くと簡単に剥けます。
焼き栗の作り方を解説します。殻に切り込みを入れ、フライパンで中火で15-20分ほど焼きます。時々振って、全体に均一に熱が通るようにします。香ばしい香りと自然な甘みを楽しめる調理法です。
適切に保存する
栗は傷や虫食いのない新鮮なものを選び、冷蔵保存が基本です。購入時のポイントとして、ずっしりと重みがあり、つやのある栗を選びましょう。また、殻にヒビが入っているものや、虫食いの跡がある栗は避けます。
カビの生えたものは絶対に食べないよう注意しましょう。保存中にカビが生えた場合は、他の栗にも影響している可能性があるため、全て処分することをおすすめします。
まとめ
栗は妊婦さんにとって栄養価の高い優れた食材です。適切な量と調理法を守れば、安全に楽しむことができます。特に旬の時期には栄養価が高く、季節の恵みとして積極的に取り入れてみましょう。ただし、生食は避け、必ず加熱調理をすること、そして食べ過ぎには注意が必要です。
気を付けるべきポイントさえ押さえておけば、栗は妊娠中の栄養補給に役立つ素晴らしい食材となります。産地や品種によって異なる味わいを楽しみながら、健康的な食生活を送りましょう。
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