妊娠中の食事で迷うことの多い果物選び。実はプラムには妊婦さんに嬉しい栄養がたっぷり。さらに、妊娠中の不調改善にも役立つ優れものなんです。
ホルモンバランスの変化で体調が変わりやすい妊娠期だからこそ、季節の恵みを上手に取り入れて、赤ちゃんも自分も健やかに過ごしたいもの。プラムの栄養と上手な食べ方について、詳しく見ていきましょう。
プラムの基本情報
果物売り場で見かける紫色や赤色の小さな果実、プラム。季節の移ろいを感じさせてくれる果物の魅力と特徴を詳しく解説していきます。妊娠中の食べ物選びは不安がつきものですが、基本的な知識を身につければ安心して味わうことができます。
プラムの特徴と種類
桃によく似た形をしているプラムは、バラ科の果物の一種です。果肉は程よい硬さがあり、さっぱりとした酸味と甘みのバランスが特徴的。日本の気候に合わせて品種改良された日本すももと、欧米から伝わった西洋すもも(プルーン)の大きく2種類に分けられます。
日本すももは緑色や赤色のものが多く、やや酸味が強いのが特徴です。西洋すもも(プルーン)は紫色や青紫色で、糖度が高く甘みが強いものが多いです。両者は見た目だけでなく、栄養価や食感も異なります。市場に出回るプラムの多くは、これらのいいとこどりをした交配種も少なくありません。
【結論】妊婦さんもプラムは食べてOK!
プラムは妊婦さんにとって心強い味方になってくれる果物です。葉酸が豊富に含まれており、胎児の健やかな発育をサポートしてくれます。また、食物繊維も豊富で妊娠中の気になる便秘解消にも効果的。
妊娠初期は特に、赤ちゃんの神経管の形成に葉酸が必要とされる時期。プラムを適量摂取することで、必要な栄養素を美味しく補給できます。また、妊娠中期から後期にかけては、むくみや便秘に悩む方も多くなりますが、プラムに含まれるカリウムや食物繊維がこれらの症状を和らげるサポートをしてくれます。
季節の恵みを自然な形で取り入れることは、妊娠中の食生活を豊かにしてくれます。栄養バランスを考えた食事の一部として、プラムを取り入れてみてはいかがでしょうか。
食べ過ぎるとどうなる?
美味しいプラムは食べ過ぎてしまいがちですが、程々の量を心がけましょう。一度に多量に摂取すると、お腹が緩くなったり、妊娠糖尿病のリスクが高まる可能性があります。
プラムに含まれる果糖は、一度に多く摂ると消化器官に負担をかけることがあります。特に妊娠中はホルモンの影響で消化機能が普段と異なることも。また、プラムに含まれる果糖が多量に摂取されると、血糖値の上昇につながる可能性もあるため、特に妊娠糖尿病のリスクがある方は注意が必要です。
食べる時間帯にも気を配りましょう。就寝前の摂取は、夜間のトイレが近くなる原因になることも。日中の適度なタイミングで楽しむのがおすすめです。
プラムに含まれる栄養成分
小さな果実ながら、実は豊富な栄養を含んでいるプラム。妊婦さんに嬉しい栄養素について詳しく見ていきましょう。各栄養素が妊娠中の体にどのように作用するのか、理解することで、より効果的に取り入れることができます。
葉酸
プラムには妊婦さんに欠かせない葉酸がたっぷり含まれているのが特徴です。葉酸は胎児の脳や神経管の正常な発達に重要な役割を果たします。また、赤血球の形成を助ける働きもあり、妊娠中の貧血予防にも効果的です。
葉酸は水溶性ビタミンの一種で、体内に蓄積されにくい性質があります。そのため、毎日コンスタントに摂取することが大切です。妊娠初期は特に神経管閉鎖障害のリスクを減らすために重要な栄養素とされています。厚生労働省も妊娠を計画している女性や妊婦さんに対して、積極的な葉酸摂取を推奨しています。
葉酸はサプリメントでも摂取できますが、食品から自然な形で摂ることも大切。プラムはそんな葉酸の優れた供給源として、妊婦さんの食卓に取り入れたい食材です。
カリウム
妊娠中のむくみに悩まされる方も多いですが、プラムに含まれるカリウムには体内の余分な水分を排出する効果があります。また、血圧の安定にも役立つため、妊娠高血圧症候群の予防にも期待できます。
カリウムは体内の電解質バランスを整える重要なミネラルです。ナトリウム(塩分)の排出を促進するため、塩分の摂り過ぎによる血圧上昇を抑える効果があります。妊娠中期から後期にかけては特に、体内の水分量が増加しむくみが生じやすくなりますが、適切なカリウム摂取によって症状が緩和されることが期待できます。
また、カリウムは筋肉の正常な収縮にも関わっています。妊娠中の足のつりやこむら返りの予防にも役立つ栄養素と言えるでしょう。
食物繊維
プラムの皮には水溶性食物繊維のペクチンが豊富です。腸内環境を整え、便秘解消に効果的。また、糖質の吸収を緩やかにする働きもあり、血糖値の急激な上昇を抑える効果も期待できます。
妊娠中はホルモンの影響で腸の動きが鈍くなりがちです。特にプロゲステロンというホルモンが腸の筋肉をリラックスさせることで、便秘になりやすい体質に変化します。さらに子宮が大きくなるにつれて、腸が圧迫されることも便秘の原因になります。
プラムに含まれる水溶性食物繊維は、水分を吸収して膨らみ、便のかさを増やして腸の蠕動運動を促進します。また、不溶性食物繊維は腸内細菌のエサとなって善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれます。皮ごと食べることで、これらの食物繊維をバランスよく摂取できるのがプラムの魅力です。
ポリフェノール
プラムの紫色や赤色の素になっているポリフェノールには、強い抗酸化作用があります。しかし、妊娠後期は過剰摂取に注意が必要。特にサプリメントなどの濃縮されたポリフェノールは控えめにすることをおすすめします。
ポリフェノールは体内の活性酸素を除去し、細胞の酸化を防ぐ働きがあります。これにより、老化防止や疾病予防に効果があるとされています。プラム特有のポリフェノールであるアントシアニンは、眼精疲労の改善やむくみの緩和にも役立つと言われています。
一方で、ポリフェノールの中には子宮収縮作用があるものも含まれているため、妊娠後期には過剰摂取を避けるべきです。特に濃縮された形で摂取するサプリメントなどは注意が必要です。自然な形で果物として適量を摂取する分には問題ありませんが、「健康に良いから」と大量に摂取することは避けましょう。
プラムを上手に取り入れるコツ
美味しく、かつ栄養をしっかり摂取するためのポイントをご紹介します。日々の食事に無理なく取り入れることで、妊娠生活がより豊かになるでしょう。季節の恵みを上手に活用することは、母体と赤ちゃん両方の健康に繋がります。
皮ごと食べる
プラムの栄養価を最大限に活かすなら、皮ごと食べることがポイントです。皮には食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれているため、むやみに剥かずに食べることをおすすめします。
プラムの皮には、果肉の2~3倍の食物繊維が含まれていると言われています。また、抗酸化作用のあるポリフェノールも皮に多く含まれているため、皮ごと食べることで栄養摂取効率が格段に上がります。
皮に抵抗がある場合は、小さめにカットしてヨーグルトに混ぜたり、スムージーにして飲むのもおすすめです。熱を加えることで皮の食感が気にならなくなることもあるので、コンポートやジャムにして楽しむのも良いでしょう。
鉄分を含む食材と組み合わせる
プラムの葉酸は鉄分と一緒に摂取することで、より効率的に体内に吸収されます。レバーや緑葉野菜など、鉄分を含む食材と組み合わせることで相乗効果が期待できます。
妊娠中は血液量が増えるため、鉄分の需要が高まります。しかし、鉄分だけを摂取しても十分に吸収されないことも。葉酸はビタミンB12とともに、鉄分の吸収と利用を助ける働きがあります。
例えば、プラムとほうれん草のサラダや、プラムを添えたレバーの煮物など、意識して組み合わせることで、より効果的に栄養を摂取できます。ビタミンCも鉄分の吸収を助けるので、プラムに含まれるビタミンCと合わせて、より効率的な栄養摂取が可能になります。
ドライタイプも活用する
生のプラムが手に入らない季節は、ドライプラムやプルーンを活用するのもおすすめです。ただし、水分が抜けて栄養が凝縮されているため、一度に食べる量は生のプラムの半分程度を目安にしましょう。
ドライプラムは生のプラムに比べて、エネルギー、糖質、食物繊維が凝縮されています。少量でも満足感が得られるため、間食として取り入れるのに適しています。また、保存がきくので、いつでも手軽に栄養摂取ができる点も魅力です。
ただし、ドライプラムには添加物として保存料や甘味料が使用されていることもあります。購入する際は成分表示をチェックし、なるべく添加物の少ないものを選ぶと良いでしょう。また、一部のドライフルーツには硫黄処理が施されていることがありますが、アレルギーがある方は特に注意が必要です。
時間帯を考えて食べる
プラムは血糖値の急上昇を抑える効果のある食物繊維を含んでいるため、食前や食間に食べると血糖値のコントロールに役立ちます。特に妊娠中は血糖値の変動に注意が必要なので、食べるタイミングも大切です。
朝食前や昼食前に少量のプラムを食べることで、食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。また、間食として摂取する場合は、午前中や昼過ぎがおすすめです。夕方以降の摂取は、就寝時の胃腸への負担や、頻尿の原因になることもあるため、できれば避けたほうが良いでしょう。
また、プラムに含まれる酸は空腹時に胃を刺激することがあります。特に妊娠初期つわりがある時期は、完全に空腹の状態で食べるのではなく、少し何か食べてから摂取すると良いでしょう。
まとめ
プラムは妊婦さんの健康をサポートする栄養がぎゅっと詰まった果物です。葉酸やカリウム、食物繊維などが豊富に含まれ、妊娠中の様々な不調を和らげる効果が期待できます。適量を守って上手に取り入れることで、美味しく栄養補給できる心強い味方になってくれます。
皮ごと食べることで栄養素を無駄なく摂取でき、鉄分を含む食材と組み合わせることで相乗効果も期待できます。生のプラムが手に入らない時期は、ドライタイプを活用するのも良いでしょう。ただし、糖分が凝縮されているため、適量を守ることが大切です。
また、食べる時間帯にも配慮することで、より効果的に栄養を摂取することができます。朝食前や昼食前、または午前中の間食として取り入れるのがおすすめです。
妊娠中は特に栄養バランスの取れた食事が重要です。プラムを含め、様々な食材をバランスよく取り入れることで、母体と赤ちゃん両方の健康をサポートすることができます。妊娠サポートナビ.comには妊娠中の食事に関する記事もたくさんあります。ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
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