妊娠中の食べ物選びって、本当に慎重になってしまいますよね。特に、珍しい果物や新しい品種に出会ったときは「これって赤ちゃんに影響ないかしら?」と心配になってしまうもの。愛媛県が生み出した美味しい柑橘「紅まどんな」も、そんな果物のひとつかもしれません。
でも安心してください。実は、紅まどんなは妊娠中でも安心して楽しめる素晴らしい果物なんです。今回は、その理由と上手な取り入れ方について、詳しくお話していきましょう。
紅まどんな(紅マドンナ)ってどんな果物?
まずは紅まどんなという果物について知っておきましょう。
紅まどんなの特徴
紅まどんなは、愛媛県が長年の研究を重ねて誕生させた、まさに愛媛の宝物といえる柑橘です。正式な品種名は「愛媛果試第28号」と呼ばれ、その美しい見た目と独特の食感から「紅マドンナ」という愛称で親しまれています。
最大の特徴は、まるでゼリーのようなプルプルとした食感にあります。一般的なみかんやオレンジとは全く異なる、とろけるような果肉は一度味わったら忘れられません。ジューシーさも格別で、口の中に広がる爽やかな香りは、つわりで食欲が落ちているときでも食べやすいでしょう。
紅まどんなに含まれる栄養成分
紅まどんなは栄養価の高い果物です。ビタミンCが豊富に含まれているほか、抗酸化作用のあるβクリプトキサンチン・カロテノイドも一般的なりんごより多く含まれています。
カリウムについても、100gあたり約180〜252mgと一般的なりんごを上回る含有量を誇ります。これらの栄養素は妊娠中に必要な成分であり、気になるむくみの対策にも効果的です。
食物繊維やクエン酸、ペクチンも含まれているため、疲労回復や整腸作用も期待できます。妊娠中の便秘対策にもおすすめです。
紅まどんなは妊娠中も食べてOK!
紅まどんなは妊娠中でも安心して食べることができる果物です。柑橘類全般が妊婦さんにとって安全な食品であることは、多くの産婦人科医や栄養士も認めています。
むしろ、つわりの時期には水分と栄養の補給源として、とても頼もしい存在になってくれるでしょう。吐き気がつらくて固形物が食べにくいときでも、紅まどんなの爽やかな香りと優しい甘さは、口の中をさっぱりとさせてくれます。
ビタミンCやカリウム、βカロテンなどの重要な栄養素を、生のまま効率よく摂取できるのも大きなメリットです。加熱調理が必要ないため、熱に弱い栄養素も損失することなく、しっかりと体に取り入れることができます。
妊娠中に紅まどんなを食べるメリット
紅まどんなが妊娠中でも安全に食べられることが分かったところで、今度は具体的にどのようなメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。
ビタミンCで免疫力サポート
紅まどんなに豊富に含まれるビタミンCは、免疫力が低下し、風邪をひきやすい妊娠中の強い味方です。ビタミンCは白血球の働きを活性化し、体の防御機能を高めてくれる重要な栄養素。毎日継続して摂取することで、感染症に対する抵抗力を維持できます。
さらに、ビタミンCには鉄分の吸収を促進する作用もあります。妊娠中は赤ちゃんの成長に伴って血液量が増加し、鉄欠乏性貧血になりやすい時期でもあります。紅まどんなを食事に取り入れることで、鉄分を多く含む食品と一緒に摂取した際の吸収率を高めることができるのです。
冬場の限られた時期にしか味わえない果物だからこそ、その恩恵を存分に活用したいものです。風邪やインフルエンザが流行する季節と重なるため、まさに天然の予防薬として活躍してくれることでしょう。
水分・食物繊維で便秘やむくみ対策に
紅まどんなはジューシーな味わいで、一口かじると口の中に果汁がじゅわっと広がり、とても美味しいフルーツです。妊娠中は普段の1.5倍も血液量が増えるので、水分補給がとっても大切。つわりで水を飲むのがつらい時期でも、紅まどんななら美味しく水分が摂れるでしょう。
食物繊維も含んでいるため、お腹の調子を整えるのにもぴったり。妊娠中期を過ぎると赤ちゃんが大きくなり、腸を圧迫して便秘になりがちです。紅まどんなを食べれば、自然なお通じをサポートしてくれるでしょう。
紅まどんなに含まれるカリウムは、むくみもサポートしてくれます。余分な塩分を体外に出してくれるので、パンパンになった手足がすっきり。ビタミンCも血管を丈夫にして血の巡りを良くしてくれるので、むくみ解消にダブルの効果が期待できます。
低カロリーで安心して食べられる
紅まどんなのカロリーは100gあたり約52kcalであり、1回100g~200g程度であればカロリー面で特に問題がありません。
甘いものが食べたくなったとき、ケーキやクッキーなどの高カロリーなお菓子の代わりに紅まどんなを選ぶことで、満足感を得ながらもカロリーを抑えることができます。その独特の食感と上品な甘さは、きっと心も満たしてくれることでしょう。プルプルとした食感は噛み応えもあり、少量でも満腹感を得やすいのも嬉しいポイントです。
妊娠中に紅まどんなを食べる際の注意点
紅まどんなの魅力をたっぷりとお伝えしてきましましたが、妊娠中だからこそ気をつけておきたいポイントもあります。
食べ過ぎは避ける
厚生労働省が推奨する妊娠中の果物摂取量は、妊娠初期で1日200g、中期・後期で1日300gとされています。紅まどんな1個の重さは品種や大きさにもよりますが、およそ200〜300g程度。つまり、1日に1個程度が適量の目安ということになります。
果物の過剰摂取は、果糖の摂りすぎはカロリーオーバーにつながり、妊娠糖尿病のリスクを高める恐れもあるのです。妊娠糖尿病は母体だけでなく、胎児にも影響を与える可能性があるため、十分な注意が必要です。また、体重増加が過度になると、妊娠高血圧症候群などの合併症のリスクも上がってしまいます。
皮や手を清潔にしてから食べる
妊娠中は免疫力が低下しやすく、普段よりも感染症にかかりやすい状態になります。紅まどんなを食べる際は、果実の表面をしっかりと水で洗い流すことが重要です。柑橘類の皮には、栽培過程で使用された農薬や、流通過程で付着した汚れが残っている可能性があります。皮を直接食べることは少ないかもしれませんが、カットする際に果肉に汚れが付着することを防ぐためにも、洗浄は欠かせません。
食べる前には必ず石鹸で手を洗い、清潔なタオルで水分を拭き取ってから果物に触れるようにしましょう。
缶詰や加工品より生の果実を優先する
紅まどんなの栄養価を最大限に活用するためには、生の果実を選ぶことが一番です。缶詰の果物は、製造過程で糖分が大量に添加されていることが多く、カロリーが高くなりがちです。また、加熱処理により、熱に弱いビタミンCなどの栄養素が減少してしまうのも気になるところです。
果汁100%のジュースは、ジュースにする過程で食物繊維が取り除かれてしまい、糖分の吸収が急激になる傾向があります。
生の紅まどんななら、食物繊維も一緒に摂取でき、噛むという行為によって満腹感も得られます。ゆっくりと味わいながら食べることで、適量で満足できるのも嬉しいポイントです。
まとめ
妊娠中の食事選びは確かに気を遣うものですが、紅まどんなは安心して楽しめる素晴らしい果物だということが分かっていただけたでしょうか
ゼリーのようなプルプル食感と上品な甘さは、つわりで食欲が落ちているときでも口にしやすく、水分と栄養の補給源として活躍してくれるでしょう。ビタミンCによる免疫力サポート、カリウムによるむくみ対策、食物繊維による便秘予防など、妊娠中に気になる症状に優しくアプローチしてくれます。
ただし、どんなに体に良いものでも、適量を守ることと衛生管理を怠らないことが大切です。1日1個程度を目安に、他の食事とのバランスを考えながら取り入れていきましょう。
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