妊娠中の食事って、「これって食べても大丈夫?」と迷うことが本当に多いですよね。特にチーズは栄養価も高く美味しいけれど、種類によって注意が必要なんです。チェダーチーズを妊娠中に食べたくなったとき、どうすれば安全に楽しめるのか気になりますよね。実は妊娠中のチーズ選びには知っておくべきポイントがあります。
この記事では、チェダーチーズの安全な食べ方や注意点について、詳しくお伝えします。赤ちゃんとママの健康を守りながら、美味しくチーズを楽しむためのヒントをぎゅっとまとめました。
チェダーチーズは妊娠中も食べて良いの?
妊娠中の食生活は赤ちゃんとママの健康を左右する大切なもの。チェダーチーズは栄養が豊富で魅力的ですが、その安全性については正しく理解しておく必要があります。チェダーチーズの特徴やリスク、そして妊娠中の適切な摂り方について見ていきましょう。
チェダーチーズ=ナチュラルチーズの一種
チェダーチーズは、イギリス発祥の代表的なナチュラルチーズとして知られています。セミハードタイプに分類されるこのチーズは、水分量が比較的少なく、しっかりとした食感が特徴です。熟成が進むにつれて風味が深まり、色も黄色みが増していくのが特徴的です。
一般的なチェダーチーズの製造過程では、牛乳から作られた凝乳を切り分け、加熱し、圧縮して余分な水分を取り除いた後、塩漬けにして熟成させます。ここで注目すべき点は、多くのナチュラルチーズと同様に、製造時に十分な加熱処理がされていない場合があるということです。
リステリア菌のリスクは?
妊娠中に特に警戒したいのが、リステリア菌の感染リスクです。リステリア菌は土壌や水、動物の腸内に存在する細菌で、加熱不十分な食品を通じて体内に入る可能性があります。妊婦さんはリステリア症(リステリア菌感染症)にかかるリスクが健康な成人の約20倍も高いとされているのです。
リステリア症にかかると、初期症状としては風邪に似た悪寒や発熱、筋肉痛、時には吐き気や下痢などの消化器症状が現れることがあります。妊婦さんの場合、これらの症状が軽度であっても、胎児への影響は深刻になりうるのです。
リステリア菌感染は流産や早産、死産のリスクを高めるほか、新生児リステリア症を引き起こす可能性もあります。新生児がリステリア症に感染すると、敗血症や髄膜炎などの重篤な状態に陥ることも。
【結論】チェダーチーズをそのまま食べるのは控えよう
ここまでの情報をまとめると、妊娠中はチェダーチーズをそのまま食べるのは控えた方が無難と言えます。原料の乳が加熱殺菌されていない、または製造過程で十分な加熱処理がされていないチェダーチーズには、リステリア菌などの有害菌が存在するリスクがあるからです。
しかし、チェダーチーズを全く食べられないというわけではありません。しっかりと加熱調理すれば、リステリア菌は死滅するため安全に食べることができます。
チェダーチーズを原料としたプロセスチーズもおすすめです。プロセスチーズは製造過程で加熱殺菌されているため、リステリア菌のリスクが極めて低く、妊娠中でも比較的安心して食べられます。
妊娠中のチェダーチーズは加熱を!安全のために知っておきたいこと
チェダーチーズを妊娠中に安全に食べるためには、適切な加熱が必要です。どのように加熱すれば良いのか、具体的な方法や避けるべき食べ方について詳しく見ていきましょう。
十分に加熱すればリステリア菌は死滅!
リステリア菌は熱に弱いという特性があります。75℃以上の温度で1分以上加熱すれば死滅するため、チェダーチーズも十分に加熱すれば安全に食べることができます。
トーストに載せてこんがり焼いたチェダーチーズは、表面が溶けてきつね色になっていれば十分な加熱と言えます。グラタンやマカロニチーズなど、オーブンでじっくり加熱する料理は、チーズが溶けるだけでなく、中心部までしっかり熱が通るので安心です。
サンドイッチや冷たい料理は避ける
妊娠中は、リステリア菌などの有害菌を避けるためにも、チェダーチーズを使った冷たい料理やそのまま食べる料理は避けた方が無難です。サンドイッチやハンバーガーなど、チーズを生のまま使う料理は避けましょう。コンビニやカフェで売られているチーズサンドも同様です。どうしても食べたい場合は、家庭で作って具材を十分に加熱するか、プロセスチーズを選ぶようにしましょう。
サラダに振りかけるチーズも、加熱していないため注意が必要です。パルメザンチーズやチェダーチーズを削って使うことがありますが、妊娠中は控えた方が良いでしょう。
国産品でも加熱表示をチェックする
「日本のチーズなら安全」と思いがちですが、国産のナチュラルチーズでも注意が必要です。日本では多くのナチュラルチーズは加熱殺菌された乳を使用していますが、製品によって加熱処理の程度は異なります。
「要加熱」「加熱してお召し上がりください」などの表示がある場合は、必ず指示に従って加熱しましょう。これはメーカー側が安全のために推奨している重要な情報です。
チーズの種類によっても安全性は異なります。一般的に、熟成期間の長いハードタイプのチーズは、水分活性が低く細菌が増殖しにくい傾向があります。一方、水分を多く含むフレッシュタイプのチーズは注意が必要です。
国産のチーズでも輸入原料を使用していることがあります。原材料表示や製造方法の記載も参考にしましょう。
妊娠中もおすすめ?チーズに関するQ&A
チーズは栄養豊富で美味しい食品ですが、妊娠中の食べ方には様々な疑問があるものです。ここでは、よくある質問とその回答をご紹介します。
Q. チーズで摂れる栄養素は?
チーズは妊娠中の栄養補給に役立つ優れた食品です。特にカルシウムが豊富に含まれており、赤ちゃんの骨や歯の形成に欠かせない栄養素となります。妊娠中はカルシウム必要量が増加するため、適切に摂取することが大切です。
良質なたんぱく質も豊富に含まれています。たんぱく質は赤ちゃんの細胞づくりに欠かせないほか、ママの筋肉や臓器の健康維持にも重要です。
しかし、チーズに含まれる栄養素だけでバランスの良い食事にはなりません。野菜や果物、穀類、肉や魚などと組み合わせて、多様な食品から栄養を摂ることが大切です。
Q. チーズを食べるとき気を付けたいことは?
チーズは栄養価が高い反面、塩分や脂質も多く含まれているため、妊娠中は摂取量に注意が必要です。特に妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)のリスクがある方は、塩分摂取量に気を付ける必要があります。
1日に食べるチーズの量は、親指大(20〜30g)程度を目安にするとよいでしょう。プロセスチーズであれば1〜2枚、ナチュラルチーズなら一口大を1〜2切れ程度です。毎日食べるというよりは、週に数回楽しむくらいが適量と言えます。
Q. ナチュラルチーズを食べてしまった。どうすれば良いの?
非加熱のナチュラルチーズを食べてしまったと気づいても、過度に心配する必要はありません。リステリア菌の汚染がすべてのチーズに起こるわけではなく、実際に感染する確率はそれほど高くないからです。
まずは商品のパッケージがあれば確認してみましょう。製造過程で加熱殺菌されていることが明記されている場合や、出荷前にリステリア菌の検査をクリアしている旨の表示があれば、安全性は高いと考えられます。
念のため、その後の体調変化に注意を払いましょう。リステリア症の初期症状は風邪に似ていることが多く、食べてから数日〜数週間で発症する可能性があります。発熱、悪寒、筋肉痛、頭痛、吐き気や下痢などの症状が現れたら、医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
妊娠中のチェダーチーズ摂取については、安全に食べるための知識と工夫が大切です。ここまで見てきたように、チェダーチーズはナチュラルチーズの一種で、十分な加熱がされていない場合にはリステリア菌などのリスクがあります。
もし非加熱のナチュラルチーズを食べてしまったとしても、過度に心配する必要はありません。体調の変化に注意を払い、不安があれば医療機関に相談することが大切です。
妊娠中の食事選びは、時に不安や迷いを感じるものですが、正しい知識を身につけることで、安心して食事を楽しむことができます。妊娠サポートナビ.comにはチーズや妊娠中の食事に関する記事もたくさんあります。ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
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