妊娠中は食べ物の安全性が気になるもの。特にチーズは種類によって食べても良いのか迷ってしまうことも多いですよね。
実は、プロセスチーズは妊婦さんにとって安心して食べられるチーズの一つなんです。栄養価も高く、忙しい日々の中で手軽に栄養補給ができる強い味方になってくれます。妊娠中の食事で大切なのは、安全性と栄養バランス。この記事では、プロセスチーズの安全性や栄養面でのメリット、選び方のポイントまで詳しくご紹介します。
プロセスチーズって妊娠中でも大丈夫?
妊娠中は食べられるものと避けた方が良いものがあり、特にチーズ類は種類によって注意が必要です。プロセスチーズは製造工程に特徴があり、妊婦さんでも安心して食べられるチーズとして知られています。ここでは、プロセスチーズの特徴や妊娠中の注意点について詳しく見ていきましょう。
プロセスチーズとは
プロセスチーズは、名前の通り「加工処理」されたチーズのことを指します。ナチュラルチーズを原料として、これを細かく砕いて混ぜ合わせ、加熱殺菌処理を施したものです。この加熱処理が妊婦さんにとって重要なポイントになります。
製造過程で70℃以上の高温で加熱されるため、リステリア菌などの有害菌がしっかりと死滅します。リステリア菌は妊婦さんが感染すると流産や早産のリスクを高める細菌ですが、プロセスチーズならその心配がほとんどありません。
市販されているスライスチーズやベビーチーズ、また六角形のチーズなどがプロセスチーズの代表例です。スーパーやコンビニでも手軽に購入でき、開封後もある程度の期間保存が可能なので、忙しい妊婦さんの強い味方になってくれます。
ナチュラルチーズとの違い
プロセスチーズとナチュラルチーズの最大の違いは、加熱処理の有無。ナチュラルチーズは牛乳から直接作られ、自然な発酵過程を経て製造されます。風味や香りが豊かで、種類も豊富なのが特徴です。
しかし、輸入品のナチュラルチーズの中には非加熱のものも多く、これらは妊婦さんには注意が必要です。特にカマンベールやブリーなどの白カビタイプのチーズや、ブルーチーズなどの青カビタイプのチーズは、リステリア菌のリスクがあります。
一方で、国内産のナチュラルチーズは法令に基づいて殺菌された原料乳を使用しているため、比較的安全です。パッケージに「殺菌乳使用」と記載があれば、妊娠中でも食べられる可能性が高いでしょう。ただし、確実に安全なのは加熱処理されたプロセスチーズです。
味わいの面では、ナチュラルチーズの方が複雑で深い風味を持っています。プロセスチーズはマイルドで食べやすく、クセが少ないのが特徴です。妊娠中は味覚が敏感になることもあるので、マイルドなプロセスチーズは受け入れやすいかもしれませんよ。
妊婦さんが食べる際の注意点は?
プロセスチーズは基本的に妊婦さんでも安心して食べられますが、いくつか注意点もあります。
まず気をつけたいのが塩分量です。プロセスチーズは製造過程で塩分が添加されているため、ナチュラルチーズよりも塩分が高い傾向があります。妊娠中は浮腫みやすくなることもあるので、1日の摂取量には注意が必要です。1日に食べる量は2〜3切れ程度を目安にするとよいでしょう。
また、開封後の保存方法にも気を配りましょう。プロセスチーズは未開封の状態では長期保存が可能ですが、一度開封したら冷蔵庫で保管し、できるだけ早めに消費するのが望ましいです。パッケージに記載されている保存方法を必ず確認してください。
【栄養たっぷり】プロセスチーズは妊娠中もおすすめ!
プロセスチーズは安全性だけでなく、栄養面でも妊婦さんにおすすめの食品です。手軽に摂取できる栄養素が豊富に含まれており、妊娠中の栄養管理をサポートしてくれます。ここでは、プロセスチーズに含まれる主な栄養素とそのメリットについて見ていきましょう。
たんぱく質
プロセスチーズには良質なたんぱく質がたっぷり含まれています。たんぱく質は細胞の構築や修復に欠かせない栄養素で、妊娠中は特に重要です。胎児の発育、胎盤やお母さんの血液量の増加など、様々な場面でたんぱく質が必要とされます。
プロセスチーズ1枚(約20g)あたり約4〜5gのたんぱく質が含まれており、手軽に摂取できる量としては十分です。妊娠中は非妊娠時より多くのたんぱく質が必要とされるため、日々の食事に取り入れやすいプロセスチーズは理想的な選択肢と言えるでしょう。
特にプロセスチーズに含まれるたんぱく質には、トリプトファンという必須アミノ酸が含まれています。トリプトファンは体内でセロトニンに変換され、心の安定やリラックス効果をもたらすと言われています。妊娠中はホルモンバランスの変化によって精神的に不安定になりがちですが、チーズに含まれるトリプトファンが気持ちを落ち着かせるのに役立つかもしれません。
ミネラル類
プロセスチーズはカルシウムを手軽に摂取できる優れた食品です。カルシウムは妊娠中から授乳期にかけて特に重要なミネラルで、胎児の骨や歯の形成に不可欠です。また、妊婦さん自身の骨密度を維持するためにも必要です。
プロセスチーズ1枚(約20g)には約150mgのカルシウムが含まれており、これは1日の推奨摂取量(妊婦は1日約700mg)の約2割をカバーする量です。牛乳や小魚と比べても効率よくカルシウムを摂取できる食品といえるでしょう。
カルシウム以外にも、亜鉛やリンなどのミネラルも含まれています。亜鉛は免疫機能を向上させ、妊娠中の感染症予防にも役立ちます。リンは骨や歯の健康維持に必要なミネラルで、カルシウムと相互作用して働きます。これらのミネラルは胎児の健康的な発育をサポートする重要な栄養素です。
特に妊娠後期は胎児の骨形成が活発になるため、カルシウムをはじめとするミネラル類の摂取が一層重要になります。プロセスチーズは調理不要で手軽に食べられるので、忙しい妊婦さんの強い味方となってくれるでしょう。
ビタミン
プロセスチーズには様々なビタミンも含まれています。特にビタミンA、ビタミンD、ビタミンB群が豊富に含まれており、妊娠中の健康維持に役立ちます。
ビタミンAは胎児の視力発達や免疫機能の向上に寄与します。ただし、過剰摂取は避けるべきなので、サプリメントと合わせて摂取する場合は注意が必要です。プロセスチーズに含まれる量であれば心配ありません。
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨の健康をサポートします。日光を浴びる機会が少ない妊婦さんにとって、食品からのビタミンD摂取は特に重要です。プロセスチーズは手軽にビタミンDを摂取できる食品の一つです。
ビタミンB群(B2、B6、B12など)は疲労回復を助け、エネルギー代謝を促進します。妊娠中は疲れやすくなるため、こうした栄養素の摂取が大切です。特にビタミンB12は胎児の神経発達に重要で、プロセスチーズはその良い供給源となります。
プロセスチーズの選び方のポイントは?
妊娠中にプロセスチーズを選ぶときは、いくつかのポイントに注目することで、より安全で栄養価の高いものを選ぶことができます。ここでは、妊婦さんにおすすめのプロセスチーズの選び方について詳しく見ていきましょう。
食品表示をしっかりチェックする
プロセスチーズを選ぶ際は、まずパッケージの食品表示をしっかりチェックすることが大切です。「プロセスチーズ」と明記されているものを選びましょう。「ナチュラルチーズ」と記載されているものは、非加熱の可能性があるため注意が必要です。
また、原材料表示も確認するとよいでしょう。プロセスチーズには様々な添加物が使用されていることがあります。保存料や着色料、香料などが気になる方は、添加物の少ないシンプルな製品を選ぶことをおすすめします。
最近では、国産原料を使用したプロセスチーズや、有機原料を使用した製品なども増えてきています。安全性をより重視したい妊婦さんは、こうした製品を選択するのも一つの方法です。
塩分量と脂質量に注目する
プロセスチーズを選ぶ際は、塩分量と脂質量にも注目しましょう。プロセスチーズは製造過程で塩分が添加されるため、塩分量が比較的高い傾向があります。
女性の1日の塩分摂取目安は6.5g未満とされていますが、妊娠中は浮腫みやすくなることもあるため、塩分の取りすぎには注意が必要です。パッケージに記載されている塩分量を確認し、比較的塩分の少ないものを選ぶか、摂取量を控えめにするとよいでしょう。
また、プロセスチーズは脂質も高めです。低脂肪タイプのプロセスチーズも販売されているので、体重管理が気になる妊婦さんはそちらを選ぶのも一案です。ただし、脂質にはビタミンAやDなどの脂溶性ビタミンが含まれていることもあるため、必要以上に脂質を制限する必要はありません。
妊娠中は適正な体重増加が重要なので、カロリー表示も確認しておくと安心です。1日の摂取カロリーの中でバランスよく取り入れられるよう、計画的に食べることをおすすめします。
賞味期限と保存方法を確認する
プロセスチーズは比較的長期保存が可能な食品ですが、賞味期限と保存方法はしっかり確認しておきましょう。購入時には、できるだけ賞味期限が長めの製品を選ぶとよいでしょう。特に、一度にたくさん購入する場合は、消費するペースを考慮して選ぶことが大切です。
また、パッケージに記載されている保存方法も必ず確認してください。多くのプロセスチーズは未開封であれば常温保存が可能ですが、開封後は冷蔵保存が必要な場合がほとんどです。保存方法が明記されている製品を選び、適切に保存することで、安全性を高めることができます。
開封後の保存期間が明記されている製品もあります。例えば「開封後は7日以内にお召し上がりください」などの表示があれば、その期間内に消費できるよう計画的に使用しましょう。特に妊娠中は食中毒のリスクを避けるため、食品の保存状態には細心の注意を払うことが重要です。
プロセスチーズを使った妊婦さんにおすすめレシピ
プロセスチーズは様々な料理に活用できる便利な食材です。ここでは、妊婦さんにおすすめの簡単でおいしいプロセスチーズレシピをご紹介します。手軽に栄養補給ができるメニューばかりなので、ぜひ試してみてください。
チーズトースト
朝食やおやつにぴったりのチーズトーストは、最も手軽にプロセスチーズを取り入れられるレシピです。栄養価の高い全粒粉パンを使うことで、食物繊維も一緒に摂取できます。
作り方はとても簡単。全粒粉パンにプロセスチーズをのせ、トースターで3〜4分焼くだけ。チーズが溶けてこんがり色づいたら完成です。トマトやきゅうりをトッピングすれば、さらに栄養バランスが良くなります。トマトにはリコピンという抗酸化成分が含まれており、妊娠中の健康維持に役立ちます。
チーズオムレツ
たんぱく質がたっぷり摂れるチーズオムレツは、妊婦さんの栄養補給にぴったりのメインディッシュです。卵とプロセスチーズを組み合わせることで、良質なたんぱく質とカルシウムをバランスよく摂取できます。
作り方は、溶き卵にみじん切りにしたプロセスチーズを加え、塩コショウで味付けします。フライパンに油をひいて卵液を流し入れ、半熟状態で半分に折りたたんで完成です。ほうれん草やキノコを加えれば、鉄分や食物繊維も一緒に摂れて栄養価がさらにアップします。
特にほうれん草には鉄分が豊富に含まれており、妊娠中に増加する血液量をサポートするのに役立ちます。チーズと一緒に摂ることで、ほうれん草に含まれる鉄分の吸収率も高まるといわれています。
朝食だけでなく、ランチやディナーのメインディッシュとしても活躍します。冷蔵庫にある野菜を加えてアレンジするのも良いでしょう。短時間で調理できるので、体調の優れない日でも手軽に作れるのが嬉しいポイントです。
チーズサラダ
暑い日や食欲のない日にぴったりなのがチーズサラダです。プロセスチーズをサイコロ状に切り、お好みの野菜と合わせるだけで簡単に作れます。
レタスやトマト、きゅうりなどのビタミン豊富な野菜と組み合わせると、栄養バランスの良いサラダになります。ドレッシングはオリーブオイルとレモン汁で作れば、良質な脂肪酸や抗酸化成分も摂取できます。
このサラダにゆで卵やツナ缶を加えれば、たんぱく質も充実し、より満足感のある一品になります。暑い季節や胃の調子が優れない時でも、さっぱりと食べられるので重宝するでしょう。
プロセスチーズは加熱調理だけでなく、このように生のまま食べることもできるので、調理が面倒な時でも活用できます。特に妊娠後期は動くのがつらくなることもあるので、簡単に作れるレシピは大変便利です。
まとめ
ここまで妊娠中のプロセスチーズについて詳しく見てきました。プロセスチーズは加熱処理されているため、有害菌のリスクが低く、妊婦さんでも安心して食べられる食品です。
プロセスチーズには、良質なたんぱく質やカルシウムをはじめとするミネラル類、ビタミンA・D・B群などの栄養素が豊富に含まれています。これらの栄養素は妊娠中の健康維持や胎児の発育に重要な役割を果たします。特にカルシウムは妊娠後期に胎児の骨形成が活発になるため、積極的に摂りたい栄養素の一つです。
選び方のポイントとしては、しっかりと食品表示をチェックし、塩分量や脂質量にも注目することが大切です。また、賞味期限と保存方法もきちんと確認し、適切に保存することで安全性を高めましょう。
プロセスチーズは様々な料理に活用できる便利な食材です。チーズトーストやチーズオムレツ、チーズサラダなど、簡単においしく栄養補給ができるレシピを活用して、日々の食事に取り入れてみてください。
妊娠中は食べられる食品と避けた方が良い食品について悩むことも多いですが、プロセスチーズなら安心して食べられる上に、栄養面でもメリットが多い食品です。ただし、塩分量には注意し、バランスの良い食生活の中で適量を楽しむようにしましょう。
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