馴染みのある食材でも、妊娠中や授乳中はその安全性が気になるもの。今回は赤身魚の煮付けについて取り上げます。
妊娠中や授乳中だからこそ摂りたい栄養がたっぷり含まれている反面、水銀量が気になる種類もあるため、正しい知識を持って賢く取り入れていきましょう。
赤身魚について知っておきたい情報
赤身魚には豊富な栄養が含まれており、妊娠中の体作りに欠かせない食材です。ただし、種類によって特徴が異なるため、正しい知識を持って選ぶことが大切です。
【そもそも】赤身魚って?
血液色素タンパク質のヘモグロビンと筋肉色素タンパク質のミオグロビンを多く含む魚を赤身魚と呼びます。
代表的な赤身魚にはマグロ、カツオ、ブリがあり、普段の食卓でもおなじみのアジ、イワシ、サバ、サンマも赤身魚に分類されます。
【ややこしい】赤魚と赤身魚は別物!
スーパーの魚売り場でよく見かける赤魚。見た目は赤いものの、実は白身魚に分類される魚です。
アコウダイ(赤魚鯛)、アカウオ、キンキ、メヌケなどがこれにあたります。見た目の色で判断すると間違えやすいため、購入時は魚種をしっかり確認することが重要です。
赤身魚の栄養価
赤身魚は栄養の宝庫といわれています。良質なたんぱく質、DHA、EPA、カルシウム、鉄分など、妊娠中に必要不可欠な栄養素が豊富に含まれています。
特に鉄分は貧血予防に効果的で、胎児の発育にも重要な栄養素です。妊娠中は積極的に取り入れたい食材といえます。
また、高タンパク質低脂質なのも嬉しいポイントです。
白身魚との食感の違い
赤身魚の特徴的な性質として、生で食べると柔らかい食感が楽しめます。一方で、加熱調理すると身がしまって硬くなりやすいという特徴があります。
妊娠中は食中毒のリスクを避けるため、生で食べるのは避けたいもの。火を適度に通して調理するようにしましょう。
煮付けで美味しく楽しめる赤身魚
煮付けに適した赤身魚として、サバ、ブリ、マグロがおすすめです。
脂がのっているため、煮汁との相性が抜群です。程よい火加減で煮込むことで、しっとりとした食感を保ちながら、旨味たっぷりの一品に仕上がります。
妊娠中や授乳中も安心して食べられる?
赤身魚は栄養価が高い反面、種類によっては注意が必要です。妊娠中や授乳中でも安心して食べられる魚の選び方と調理方法について詳しく見ていきましょう。
妊娠中は魚の水銀量に注意して楽しもう
妊娠中は特に水銀の摂取量に気を付ける必要があります。クロマグロ(本マグロ)やメバチマグロは水銀含有量が比較的多いため、控えめにすることをおすすめします。
また、サバやブリ、アジ、サンマなどの他の赤魚は、一般的な摂取量なら水銀摂取による影響は少ないため心配いりませんよ。
妊娠中は食べ方も工夫しよう
特に妊娠中は生の食材は避けたいもの。中までしっかりと火を通す煮付けは、妊婦さんにとって安心な調理法のひとつです。加熱により食中毒のリスクも軽減できます。
お寿司やお刺身はグッと我慢して、煮付けを楽しみましょう。
授乳中ママは生食でもOK!
授乳中は生食を含め、通常の食生活での魚介類摂取は問題ありません。煮付けも問題なく楽しめっます。
ただし、特定の魚に偏った摂取は避け、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
赤身魚の煮付けをおいしく作るコツ
おいしい煮付けを作るためのポイントをご紹介します。下処理から火加減まで、細かなテクニックを押さえることで、プロ顔負けの煮付けを作ることができます。
下処理をしっかり行う
90-95℃の熱湯で魚の表面が白くなるまで霜降りを行うことで、血合いや汚れ、ぬめりを除去できます。この工程をしっかり行うことで、臭みの少ない仕上がりになります。
霜降りの際は、魚を一度に大量に入れすぎると湯温が下がってしまうため、2-3切れずつ行うのがポイントです。霜降り後は水気をしっかりとペーパータオルで拭き取り、余分な水分を除去します。
酢や生姜を入れる
醤油、みりん、砂糖、酒で味付けをする際は、千切りにした生姜を加えることで風味が増し、食べやすくなります。生姜は繊維に沿って細く切ることで風味が立ち、煮汁全体に香りが広がります。
また、少量の酢を加えることで、魚の生臭みも軽減できます。酢は大さじ1/2程度から始めて、好みの量に調整するのがおすすめです。
昆布を一緒に入れると旨味がプラスされ、より本格的な味わいになります。
煮汁をかけながら煮込む
煮込み中は時々煮汁をかけながら調理することで、ムラなく味が染み込みます。特に厚みのある切り身は、この工程が重要です。
煮汁は魚の身が半分つかる程度の量を目安にします。煮汁が多すぎると味が薄くなり、少なすぎると焦げ付きの原因になるため、注意が必要です。
最初は強めの中火で煮立て、その後弱火にして15-20分じっくりと煮込むことで、魚の旨味を逃さず、味をしっかり染み込ませることができます。
アルコールをしっかりと飛ばす
調理酒やみりんを使用する場合は、アルコール分が十分に飛ぶまでしっかりと加熱します。これにより、妊婦さんや授乳中のママも安心して食べることができます。
アルコールを飛ばすには、煮立ててから3-5分程度の加熱が必要です。香りを確認しながら、アルコール臭がしなくなるまでしっかりと加熱しましょう。
調理酒は体に優しい料理酒を選び、通常の日本酒は使用を控えめにするのがおすすめです。
煮込みすぎに注意する
赤身魚は加熱しすぎると身が固くなってしまいます。中心部まで火を通しつつ、パサパサにならない絶妙な火加減を見極めることが大切です。
火が通ったかどうかは、箸を身の中心まで差し込んでみて、すーっと通れば完成です。煮込み加減の目安は、魚の大きさにもよりますが、一般的な切り身サイズで15-20分程度です。煮込んでいる途中で身が割れてきたら、火を止めるタイミングです。
まとめ
赤身魚は、妊娠中や授乳中に必要な栄養を手軽に摂取できる優れた食材です。種類によって水銀量に違いがあるものの、適切な選び方と調理方法を知っていれば、安心して食卓に取り入れることができます。
下処理や火加減など、ポイントを押さえることで、臭みが少なく、しっとりとした食感の煮付けを作ることができます。和食の定番メニューとして、ぜひレパートリーに加えてみてください。
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