秋田のお正月といえばハタハタ寿司、という家庭も多いのではないでしょうか。独特の旨みと発酵のやわらかな酸味が魅力の郷土の味ですが、授乳中に食べても赤ちゃんに影響はないか、気になる方も多いはずです。
発酵食品は腸にいいと聞くけれど、塩分が心配。そんな思いを抱えながら、食べたいものを我慢している方もいるかもしれません。
先に結論をお伝えすると、ハタハタ寿司は少量であれば授乳中でも楽しめます。ただし塩分が高めの食品なので、食べる量と頻度に気をつけることが大切です。
この記事では、ハタハタ寿司の特徴・ハタハタという魚の栄養・塩分との付き合い方・おすすめの食べ方まで、順番にお伝えします。
ハタハタ寿司ってどんな食べ物?発酵食品としての特徴を知ろう
ハタハタ寿司は、秋田県を代表する伝統的な発酵食品です。飯寿司(いずし)の一種で、ハタハタを米・麹・野菜(カブ・ニンジンなど)・昆布とともに漬け込み、じっくり発酵させて作ります。お正月の食卓に欠かせない、秋田の冬の味覚として長年親しまれてきました。
授乳中の食事として考えるとき、この「発酵食品である」という特徴が気になるポイントになります。
ハタハタそのものの栄養価は?授乳中ママに嬉しい成分も
ハタハタは、日本海側で多く水揚げされる白身魚です。ずんぐりとした体形で、骨がやわらかいという特徴があります。ハタハタには100gあたりDHAが約520mg、EPAが約420mg含まれていて、白身魚のなかでは脂質系の栄養素が豊富です。栄養値の出典は食品成分データベース(文部科学省)です。
DHAは赤ちゃんの脳や神経の発達に関わる栄養素で、授乳中のママがとりたい成分のひとつです。良質なたんぱく質やセレン・ビタミンB12なども含んでいます。
水銀の心配は少ない魚です。厚生労働省が公表している魚介類の水銀調査で、ハタハタは水銀濃度が低い魚種とされていて、妊婦向けの注意事項の対象にも入っていません。授乳中は妊娠中よりも制限がゆるやかなので、一般的な成人女性と同じように食べられます。
発酵食品としてのハタハタ寿司、腸への影響は?
発酵食品には腸内環境を整える働きが期待されていて、授乳期にも取り入れやすい食品グループです。母親の腸内環境が母乳の組成に関わっている可能性を示す研究もあり、乳酸菌を含む発酵食品は赤ちゃんの腸内細菌にも間接的に良い影響をもたらすと考えられています。
ハタハタ寿司も乳酸発酵で作られるため、腸活の観点では嬉しい食品です。ただし、気をつけたいのは塩分です。発酵食品としての良さを活かすためにも、食べる量の調整が必要になります。
製法を知れば塩分の多さが見えてくる
ハタハタ寿司は、ハタハタをたっぷりの塩で下漬けしてから塩出しをして、漬け床に漬け込む製法で作られます。塩出しをしても、完成品には塩分がしっかり残ります。
具体的な食塩相当量は製品によって異なりますが、市販品の栄養成分表示には100gあたり2.8gという例があります。1〜2切れ(30〜50g)でおよそ0.8〜1.4gの塩分になる計算なので、他のおかずや食事全体の塩分と合わせて考えることが大切です。
家庭の手作りは仕込みの塩加減がそれぞれ違います。市販品なら栄養成分表示を確認できますが、手作りの場合は食べる量で調整するのが現実的です。少量ずつゆっくり味わう食べ方が、塩分のとりすぎを防ぐことにつながります。
授乳中の塩分摂取、どう考えればいい?
授乳中は「産後だから特別な食事制限が必要」と過剰に心配する必要はありませんが、塩分については引き続き気をつけたい時期です。理由を知っておくと、日常の食事選びに活かしやすくなります。
授乳婦の塩分目標量を確認しよう
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、授乳婦の食塩相当量に特別な付加量は設定されていません。つまり通常の成人女性と同じ基準が適用され、目標量は1日6.5g未満とされています。
日本人の平均的な塩分摂取量は9〜10g程度といわれていて、多くの人がすでに目標量を超えている状況です。そこにハタハタ寿司のような塩分の多い食品を加えると、1日のトータルがさらに高くなる可能性があります。
産後の体にとって塩分過多が気になる理由
産後は血圧が変動しやすい時期でもあります。妊娠中に高血圧を経験した方や、もともと血圧が気になる方は特に、塩分に気を配ることが大切です。
また、塩分の多い食事が続くと体がむくみやすくなり、産後の体調にも影響することがあります。授乳期は体がエネルギーと水分を多く使う時期なので、余計なむくみは避けたいところです。
母乳と塩分の関係は?赤ちゃんへの影響を考える
「ママが塩分の多いものを食べると母乳がしょっぱくなる?」と心配される方もいます。実際には、母乳の成分(特に塩分)は一定に調節される仕組みになっているため、食事の塩分がそのまま母乳に反映されるわけではありません。
ただし、塩分の多い食事が習慣になると、ママ自身の健康に影響が出てくる可能性はあります。赤ちゃんへの直接の影響よりも、ママの体のケアという視点で塩分を意識することが大切です。
ハタハタ寿司との上手な付き合い方|授乳中ママへのアドバイス
せっかくの秋田の郷土料理を楽しみたいという気持ちは、大切にしたいところです。食べられないわけではないので、上手な食べ方を覚えておきましょう。
食べる量と頻度のめやすを決めておこう
授乳中のハタハタ寿司は、1〜2切れを目安に楽しむのがポイントです。お正月の特別な一品として少しだけいただく食べ方なら、塩分をとりすぎる心配は小さくなります。
毎日・大量に食べることは避けたほうが無難ですが、年に数回の行事の席で少量楽しむ分には、神経質になる必要はありません。
| 食べ方 | 塩分リスク | おすすめ度 |
|---|---|---|
| 1〜2切れを行事の時のみ | 低い | ◎ |
| 毎日少量(1切れ) | 積み重なると中程度 | △ |
| 一度に5切れ以上 | 高い | × |
食べる前後の食事で塩分バランスを取る
ハタハタ寿司を食べる日は、他のおかずの塩分を控えめにするよう意識しましょう。味噌汁を薄味にする、漬物を別の日にする、醤油をかける量を減らす、といった工夫で1日のトータルを調整できます。
汁物の塩分は意外と多いため、お正月に汁物とハタハタ寿司が重なる場合は特に注意したいところです。
お茶や水と一緒に。利尿効果で塩分を排出
塩分をとったあとは、水分をしっかりとることが大切です。授乳中はもともと水分補給が欠かせない時期なので、麦茶や白湯を意識して飲む習慣をつけておきましょう。カリウムを含む野菜やフルーツも、塩分の排出を助けてくれる食材です。
緑黄色野菜の多いお正月料理と組み合わせると、バランスの良い食事になります。
授乳中は母乳を作るために、1日2〜2.5リットル程度の水分補給が必要とされています。塩分の多い食事をいただいた日は、特に意識して水分を多めにとりましょう。ルイボスティーや麦茶などノンカフェインのお茶が授乳中には向いています。カフェインは母乳を通じて赤ちゃんに移行することがあるため、コーヒーや緑茶の量は控えめにしてください。
まとめ|ハタハタ寿司は量と頻度を意識して楽しもう
授乳中のハタハタ寿司は、少量であれば楽しめます。ハタハタという魚は水銀が少なく、DHAやたんぱく質など授乳中に嬉しい栄養素も含まれています。発酵食品としての腸への良い働きも期待できます。
気をつけたいのは塩分です。製造工程で多くの塩が使われるため、1切れあたりの塩分は高めになります。お正月の行事食として1〜2切れを楽しむ程度なら心配は小さくなりますが、毎日食べ続けることは避けましょう。他の食事の塩分を控えめにする、水分をしっかり補給するといった工夫と組み合わせることで、授乳中でも郷土の味を楽しめます。
大切なのは「食べてはいけない」と禁じることではなく、量と頻度を意識して付き合うことです。秋田の豊かな食文化を、赤ちゃんとの暮らしの中でも無理なく取り入れていきましょう。
授乳期は赤ちゃんのためにと食事制限を頑張りすぎてしまうことがありますが、ストレスをためないことも母乳育児を続けるうえで大切です。食べたいものを無理に我慢し続けると、食事の楽しさが失われてしまいます。ハタハタ寿司を少量楽しみながら、秋田の食文化を赤ちゃんと一緒に感じる時間も大切にしてください。
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