新潟県を代表する郷土料理「のっぺ」。里芋がとろりとした煮物で、冠婚葬祭にも欠かせない家庭の味として受け継がれてきました。
帰省中や地元のイベントでのっぺを目にしたとき、「妊娠中でも食べていいのかな」と思ったプレママもいるのではないでしょうか。
のっぺには里芋・こんにゃく・ぎんなん・かまぼこ・鮭など、妊娠中に気になる食材がいくつも入っています。ひとつずつの食材について、安全性と注意点を知っておくと、より安心して食べられます。
この記事では、のっぺの特徴から妊娠中に気をつけたい成分、上手な食べ方まで、順番にお伝えします。
新潟の郷土料理「のっぺ」とはどんな料理?
のっぺは汁物のように見えて、実は煮物に分類される料理です。里芋のぬめりによるとろみが特徴で、地域や家庭によって具材や味付けが変わります。まずは基本の特徴を確認しましょう。
のっぺの特徴と主な材料
のっぺは新潟県全域で食べられる郷土料理で、里芋を主役にした根菜・野菜・魚介の煮物です。薄味の出汁でじっくり煮ることで、里芋のぬめりが全体にとろみをつけます。
農林水産省の「うちの郷土料理」でも紹介されており、主な材料はホタテ貝柱・干ししいたけ・たけのこ・里芋・人参・こんにゃく・かまぼこ・ぎんなん・塩サケなどが一般的です。冬場はサケの卵(ととまめ)を散らすことも多く、季節を感じる一品です。
出汁は干し貝柱や干ししいたけからとることが多く、うま味のある薄口しょうゆベースで仕上げます。家庭によっては片栗粉でとろみをつける場合もあり、やさしい味わいが魅力です。
のっぺに含まれる主な栄養素
のっぺは多くの食材が組み合わさっているため、栄養のバランスがとりやすい料理です。主な食材ごとの栄養の特徴をまとめました。栄養値の出典は食品成分データベース(文部科学省)です。
| 食材 | 主な栄養素 | 妊娠中の注目ポイント |
|---|---|---|
| 里芋 | カリウム640mg/100g・食物繊維 | むくみ対策・便秘対策 |
| 干ししいたけ | ビタミンD・食物繊維 | カルシウム吸収を助ける |
| こんにゃく | 食物繊維2.2g/100g・低カロリー | 便秘対策・食事のかさ増し |
| 鮭(塩サケ) | DHA・EPA・ビタミンD・たんぱく質 | 赤ちゃんの脳の発育・骨の形成 |
| ホタテ | タウリン・亜鉛・ビタミンB12 | 赤ちゃんの発育を支える |
| ぎんなん | ビタミンC・ビタミンK | 食べすぎに注意 |
| かまぼこ | たんぱく質・塩分 | 食べすぎに注意 |
このように、のっぺは里芋のカリウム・鮭のDHA・ホタテのタウリンなど、妊娠中にうれしい栄養素を多く含んでいます。
妊娠中にうれしい栄養成分とは
のっぺに含まれる食材のなかで、妊娠中にうれしい栄養素を見てみましょう。
里芋に含まれるカリウムは、体の余分なナトリウムを外に出し、むくみを和らげる働きが期待されています。妊娠中期以降はむくみが気になるプレママが多く、カリウムを含む里芋は取り入れやすい食材のひとつです。
干ししいたけはビタミンDを含む食材です。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、赤ちゃんの骨や歯の形成にも関わります。日光に当てた干ししいたけはビタミンDが多く、妊娠中の食事に取り入れやすい食材です。
鮭に含まれるDHA・EPAは、赤ちゃんの脳や目の発育を助ける脂肪酸です。ビタミンDも含み、妊娠中に取り入れやすい魚のひとつとされています。
妊娠中に気をつけたいのっぺの成分
のっぺには体にうれしい栄養がある一方で、妊娠中に気をつけたい点もあります。特にぎんなんと塩分には注意が必要です。
ぎんなんは食べても大丈夫?
のっぺに加えられることのあるぎんなん(銀杏)は、食べすぎに注意したい食材です。ぎんなんには「4-メトキシピリドキシン(MPN)」という成分が含まれ、ビタミンB6の働きを妨げることで、大量に食べたときに嘔吐やけいれんなどを起こすことがあります。
一方で、少量であれば妊娠中でも食べられます。茶碗蒸しに入っている数粒程度で中毒を起こすことはないとされています。妊娠中は、一度にたくさん食べることは避けて、少量にとどめてください。お子さんはさらに少ない量でも影響が出やすいとされています。
のっぺに入るぎんなんは通常少量(2〜3粒程度)です。この程度であれば過度に心配する必要はありませんが、おかわりのたびに数を重ねないよう意識しておくとよいでしょう。ぎんなんを抜いて作るよう家族に伝えるのもひとつの方法です。
塩分の高い食材(かまぼこ・塩サケ)への注意
のっぺに使われるかまぼこと塩サケは、どちらも塩分が高めの食材です。かまぼこは100gあたり1.5g程度、塩サケは切り身1切れ(80g)あたり1.4〜2.0g程度の塩分を含みます。
さらに、のっぺの煮汁自体にも醤油・みりんの塩分が含まれるため、1食分の塩分は意外と多くなることがあります。
妊娠中は妊娠高血圧症候群を防ぐためにも、塩分を控えることがすすめられています。のっぺを食べる日は他の料理の塩分を意識して減らし、煮汁を飲み干さずに具材を中心に食べると、塩分を抑えやすくなります。
手作りする場合は、塩サケを使う量を控えめにし、生鮭に切り替えると塩分を減らせます。だしを濃くとると、調味料が少なくてもうま味のある仕上がりになります。
こんにゃくと里芋の妊婦さんへの影響
のっぺに入るこんにゃくと里芋は、妊娠中でも取り入れやすい食材です。こんにゃくは食物繊維を含み便秘対策に役立ち、低カロリーなため体重管理の面でも助かります。消化が少しゆっくりなため、胃腸が弱っているときは量に気をつけましょう。
里芋はカリウム・食物繊維・ムチン(胃腸を守る成分)を含みます。里芋のとろみ成分はムチンと呼ばれ、消化管を守る働きがあるとされ、妊娠中の胃腸のケアにも役立ちます。
里芋の皮をむくときにかゆみを感じることがありますが、これはシュウ酸カルシウムによるものです。酢水に少し浸けてから調理するか、使い捨てのビニール手袋をつけて作業すると、かゆみを防げます。
妊娠中でも安心してのっぺを楽しむ方法
のっぺは多くの食材をバランスよく含む料理です。いくつかのポイントを押さえれば、妊娠中でも楽しめます。
1食分の量と食べ方のめやす
のっぺを妊娠中に食べる場合のめやすは、1食あたり茶碗1〜2杯程度(200〜300g)です。この量であれば各食材のとる量も自然に収まり、栄養を偏りなくとりやすくなります。
煮汁の塩分が気になる場合は、具材を中心に食べて汁の量を減らす食べ方がおすすめです。具材だけでも里芋・こんにゃく・野菜・魚介から栄養をとれます。
ぎんなんは食べる場合でも2〜3粒程度にとどめましょう。外食や帰省先でのっぺを食べるときは、ぎんなんが入っているか事前に確認しておくと安心です。
栄養を生かした食べ合わせ
のっぺ単体でも栄養のバランスがとりやすいですが、組み合わせる食材によってさらに充実します。
鮭のビタミンDは脂溶性ビタミンなので、少量の脂質と一緒にとると吸収が高まります。のっぺを食べる食事に、えごま油や亜麻仁油を少量使ったサラダを添えると相性がよいでしょう。
里芋のカリウムはナトリウムを外に出す働きがあるため、塩分が多めになりやすいのっぺとの組み合わせで体のバランスを保つ助けになります。のっぺを食べる日は、カリウムを含む野菜や果物(バナナ・アボカドなど)も取り入れると、全体のバランスが整いやすくなります。
妊婦向けアレンジのポイント
手作りするのっぺを妊婦さん向けにアレンジするポイントをお伝えします。
塩分を減らすには、塩サケを生鮭に置き換えるのが向いています。醤油の量も通常のレシピより2〜3割減らし、代わりにだし昆布やかつお節でうま味を補いましょう。かまぼこを鶏むね肉に変えると、塩分を抑えながらたんぱく質をとれます。
ぎんなんを入れない場合は、代わりに枝豆を加えても、入れずに作っても十分においしく仕上がります。里芋のとろみをしっかり出すと、少ない調味料でも満足感のある味わいになります。
具材を大きめに切ると食べ応えが増し、少量でも満腹感を得やすくなります。食物繊維と水分を多く含むため、食後に消化のゆっくりさを感じた場合は、次回から量を少し減らして様子を見てください。
まとめ|のっぺはぎんなんと塩分に気をつけながら妊娠中も楽しめる
妊娠中にのっぺを食べることは、基本的に過度に心配する必要はありません。里芋のカリウム・しいたけのビタミンD・鮭のDHAなど、妊娠中にうれしい栄養素を多く含んでいます。
ただし、次の点には気をつけてください。ぎんなんは少量にとどめ、一度にたくさん食べないようにしましょう。かまぼこや塩サケによる塩分のとりすぎに気をつけ、煮汁は飲み干さず具材を中心に食べるのがおすすめです。
手作りする場合は塩サケを生鮭に切り替え、醤油の量を減らして出汁をしっかりとると、塩分を抑えながらもおいしく仕上がります。のっぺは、一品でいろいろな栄養をとれる料理として、妊娠中の食事に取り入れてみてください。
妊娠サポートナビは全てのママ・プレママのためのサイトです。さまざまな情報をお伝えしていますので、ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
\こちらもよく読まれています/





