産後に実家へ帰ったとき、またはお正月に家族で囲む食卓で目にすることの多い新潟の郷土料理「のっぺ」。
授乳中のお母さんにとっては、「食べたものが母乳に影響するかも」という心配が頭をよぎることもあるでしょう。
のっぺは里芋・こんにゃく・ぎんなん・かまぼこ・鮭などいろいろな食材が入る料理ですが、適量なら授乳中でも無理なく食べられます。
ただ、食材によって気をつけたいポイントが変わります。この記事では、授乳中ののっぺの食べ方を成分ごとに順番にお伝えします。
授乳中の食事と「のっぺ」の基本的な関係
のっぺは新潟県を代表する郷土料理で、里芋のとろみが特徴の薄味の煮物です。授乳中の食事として考えるとき、どのような食材が入っているかをまず知っておくことが大切です。
のっぺに使われる主な食材と特徴
のっぺの主な食材は、里芋・こんにゃく・ぎんなん・かまぼこ・干ししいたけ・人参・ホタテ貝柱・塩サケなどです。家庭によって具材はさまざまで、たけのこ・ゆでた銀杏・さやえんどうなどが加わることもあります。
料理全体としては、うま味のある出汁に野菜・魚介・こんにゃくを組み合わせた煮物です。授乳中にとりたいたんぱく質・カリウム・ビタミンDを一品でとれる点が、のっぺの取り入れやすさです。
薄口醤油とみりんで仕上げる作り方が一般的で、塩分は少し高めになりやすい傾向があります。授乳中は塩分のとりすぎに気をつけたいため、この点を意識して食べることが大切です。
授乳中に必要な栄養素とのっぺの関係
授乳中のお母さんの体には、ふだんよりも多くの栄養素が必要です。母乳をつくるために1日あたり約500kcalのエネルギーが使われ、たんぱく質・カルシウム・ビタミン類の必要量も増えます。
のっぺには、こうした授乳中の栄養に応える食材が含まれています。栄養値の出典は食品成分データベース(文部科学省)です。
| 栄養素 | 含まれる食材 | 授乳中での働き |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 鮭・ホタテ・かまぼこ | 母乳の材料・体の回復 |
| カリウム | 里芋(640mg/100g)・しいたけ | むくみ対策 |
| ビタミンD | 干ししいたけ・鮭 | カルシウムの吸収を助ける |
| DHA・EPA | 鮭 | 赤ちゃんの脳や目の発育を支える |
| 食物繊維 | こんにゃく・里芋・しいたけ | 産後の便秘対策 |
| タウリン | ホタテ | 体の回復を支える |
特に鮭に含まれるDHA・EPAは母乳に移って赤ちゃんに届くため、授乳中に取り入れたい成分のひとつです。
のっぺが授乳中の食事に向いている理由
授乳中のお母さんは育児の忙しさから、ゆっくり食事をとれないことも多いものです。そんななか、のっぺは一品でいろいろな食材の栄養をとれる料理です。
多めに作って冷蔵保存できる点も、授乳中の食事管理に向いています。里芋が入るため食べ応えがあり、少量でも満腹感を得やすいのも取り入れやすい点です。授乳中は空腹を感じやすいため、栄養があって腹持ちのよい料理は助かります。
冷蔵庫で2〜3日保存できるため、産後の食事準備の負担を減らしながら栄養をとりたいときにも向いています。
授乳中に気をつけたいのっぺの成分
のっぺを授乳中に食べるとき、気をつけたい成分も知っておきましょう。適切な量と食べ方を知ることで、より安心して楽しめます。
ぎんなんの量に注意
のっぺに入ることのあるぎんなん(銀杏)は、授乳中も気をつけたい食材のひとつです。ぎんなんには「4-メトキシピリドキシン(MPN)」という成分が含まれ、大量に食べると嘔吐・めまい・けいれんなどが出ることがあります。
一方で、少量であれば授乳中でも食べられます。授乳中は、一度にたくさん食べることは避けて、少量にとどめてください。
のっぺに入る量は通常2〜3粒程度で、この量であれば過度に心配する必要はありません。食べすぎが気になる場合は、ぎんなんを取り除いて食べることもできます。
塩分の多い食材への対処法
のっぺに含まれるかまぼこ・塩サケは塩分が高めです。かまぼこは100gあたり約1.5g、塩サケは1切れ(80g)あたり1.4〜2.0g程度の塩分を含みます。煮汁の醤油・みりん由来の塩分と合わせると、1食分の塩分は意外と多くなることがあります。
授乳中の塩分のとりすぎは、体のむくみにつながることがあります。のっぺを食べる日は他の料理の塩分を減らし、汁を飲み切らず具材を中心に食べるとよいでしょう。
手作りの場合は、塩サケを生鮭に変えるだけで塩分を減らせます。かまぼこの代わりに鶏むね肉を使うアレンジも、塩分を抑えるのに向いています。
こんにゃくと里芋は授乳中でも取り入れやすい
のっぺに入るこんにゃくと里芋は、授乳中でも取り入れやすい食材です。
こんにゃくは食物繊維を含み、産後の便秘対策に役立ちます。低カロリーなためカロリー管理にも助かり、産後の体型が気になるお母さんにも取り入れやすい食品です。
里芋のカリウム(100gあたり640mg)は、余分なナトリウムを外に出してむくみを和らげる働きが期待されています。のっぺの塩分が気になるときは、里芋のカリウムが塩分の影響を和らげる助けになります。
里芋に含まれるムチンは消化管を守る働きがあるとされ、体力が回復途中のお母さんの胃腸にもやさしい食材です。
授乳中のおすすめの食べ方とアレンジ
授乳中のお母さんがのっぺをより安心して楽しむための方法をお伝えします。量のめやすや食べ合わせのコツも参考にしてください。
1日の目安量と食べるタイミング
授乳中にのっぺを食べる場合のめやすは、1食あたり茶碗1〜2杯程度(200〜300g)です。この量であれば各食材の栄養をとりつつ、塩分やぎんなんの量も自然に収まります。
食べるタイミングに特に制限はありませんが、授乳の前後に食べることで、母乳づくりを栄養面から支えられます。授乳中はこまめな食事と水分補給が大切なため、のっぺを2〜3回に小分けして食べるのもよい方法です。
毎日食べる必要はなく、週に2〜3回程度取り入れる形で十分です。1回作れば冷蔵保存できるため、産後の忙しい時期に取り入れやすくなります。
授乳中にうれしい食べ合わせ
のっぺと相性のよい食べ合わせを知っておくと、授乳中の栄養バランスが整いやすくなります。
鮭のDHA・EPAをとるには、少量の良質な脂質と一緒に食べるのがポイントです。のっぺの横に、オリーブオイルをかけたトマトサラダを添えると、脂溶性成分の吸収を助けられます。
里芋やしいたけからビタミンDをとれるため、乳製品と合わせるとカルシウムを活かしやすくなります。のっぺの後にヨーグルトや牛乳を取り入れると、授乳中のカルシウム補給に役立ちます。
授乳中に不足しがちな鉄分は、のっぺだけでは十分ではないため、ほうれん草・小松菜・ひじきなどを組み合わせた副菜を一緒に取り入れるとよいでしょう。
授乳中の塩分を抑えたアレンジ
のっぺの塩分を抑えながらおいしく食べるためのアレンジをお伝えします。
いちばん手軽な方法は、塩サケを生鮭または鮭の水煮缶に置き換えることです。生鮭を使う場合は、少量の塩を振ってフライパンで軽く焼いてから加えると、香ばしさが出ます。
醤油の量を通常のレシピの7割ほどに減らし、代わりにだし昆布(長く煮て昆布は取り出す)やかつお節でうま味を補うと、塩分控えめでも深みのある味わいになります。
さらに塩分を抑えたいときは、かまぼこを少量にとどめ、代わりに鶏むね肉(水からゆでたもの)を加えるアレンジも試してみてください。たんぱく質をとりながら塩分を抑えられます。
まとめ|のっぺはぎんなんと塩分に気をつければ授乳中も取り入れやすい
授乳中にのっぺを食べることは、適量であれば過度に心配する必要はありません。里芋のカリウム・鮭のDHA・ホタテのタウリン・ビタミンDなど、授乳中にうれしい栄養素を含み、一品でいろいろな食材の栄養をとれる料理です。
ただし、気をつけたいポイントが2つあります。ひとつはぎんなんを食べすぎないこと(少量にとどめる)。もうひとつは、かまぼこ・塩サケ・煮汁からとる塩分に気をつけることです。
手作りする場合は、塩サケを生鮭に変え、醤油の量を少し減らして出汁を濃くとると塩分を抑えられます。汁よりも具材を中心に食べる習慣をつけると、塩分を自然に抑えやすくなります。
産後の忙しい時期に保存食として取り入れながら、授乳中のお母さんと赤ちゃんに必要な栄養を届けられる料理として、のっぺを上手に取り入れてみてください。
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