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授乳中ママが鮑(あわび)を食べるときの注意点|コレステロールや栄養素が母乳に与える影響とは

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授乳中の食べ物

この記事は栄養士によって監修されています

この記事を監修された先生

中村あゆみ先生

中村 あゆみ 先生

東京農業大学応用生物科学部卒業。食品企業での勤務経験を経て、都内保育園で栄養士として従事。妊娠中のお母さんへの栄養相談や食育活動に携わる。現在は茨城県内のこども園で子供たちの食育指導や献立作成を担当。茨城県栄養士会所属。

中村先生の詳細プロフィール

おせちや旬の食卓に並ぶ鮑(あわび)を授乳中に食べてもいいのか、コレステロールや栄養素の面で気になることはありませんか。あわびは高たんぱく・低脂肪の貝で、鉄分やタウリンなど授乳中の体を支える成分を含んでいます。気になるコレステロールについても、近年は食事から入るコレステロールが血中の値に与える影響は個人差が大きいと考えられるようになっています。適量での楽しみ方から注意点まで、順にお伝えします。

あわびの栄養プロフィール|授乳中の体を支える成分

あわびは古くから滋養の食材として親しまれてきた貝類です。栄養面から見ても、授乳中の体を支える成分をバランスよく含んでいます。

高たんぱく・低脂肪という栄養バランス

くろあわび(生)の可食部100gあたりのたんぱく質は約14.3gで、脂質は0.8gと少なめです。産後のカロリー管理が気になる方にも取り入れやすい食材です。産後の体重が気になりながらも、たんぱく質はしっかりとりたい授乳期に、あわびは選択肢の一つになります。可食部100gあたりのエネルギーは約76kcalで、同量の白米(約156kcal)と比べても控えめです。

栄養素 くろあわび可食部100gの含量 授乳中の1日推奨量・目安
たんぱく質 14.3g 約70g(通常50g+授乳付加量20g)
脂質 0.8g エネルギー比20〜30%
コレステロール 110mg 目標量(上限値)は設定なし
鉄分 2.2mg 9.0mg(授乳婦)
亜鉛 0.7mg 11mg(授乳婦)
ビタミンB12 0.4μg 2.8μg(授乳婦)
食塩相当量 1.1g 6.5g未満(目標)

※参考:食品成分データベース(文部科学省)あわび・くろあわび・生

授乳中にうれしい鉄分とタウリン

あわびには授乳中にとりたいミネラルが含まれています。鉄分は100gあたり2.2mgで、貝類のなかでは比較的多く、産後の貧血予防を助けます。また、あわびには貝類に多いタウリンが含まれています。タウリンは胆汁酸の材料になる成分で、体の調子を整えるはたらきが期待されています。亜鉛は0.7mgで量は多くありませんが、いろいろな食材と組み合わせることでミネラルを補いやすくなります。

コレステロールへの考え方

くろあわびは100gあたりコレステロールを110mg含みます。以前はコレステロールの多い食品は控えるべきとされていましたが、現在の食事摂取基準ではコレステロールの目標量(上限値)は設定されていません。これは、食事から入るコレステロールが血中コレステロール値に与える影響には個人差が大きく、飽和脂肪酸のとり方のほうが血中LDLコレステロールに影響しやすいと考えられるようになったためです。授乳中の食事の一部としてあわびを適量(100g程度)食べる分には、コレステロールを理由に特別控える必要はないと考えられます。

※参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書

あわびのコレステロールは100gあたり110mg。授乳中に食べる量の目安は1回100g程度で、脂質全体のバランスを整えることを意識してみてください。

授乳中にあわびを食べる際の注意点と安全な食べ方

あわびは基本的に安全に食べられる食材ですが、授乳中に意識したい点があります。知っておくことで、より安心して食卓を楽しめます。

生あわびと加熱あわびの安全性の違い

あわびは刺身(生)で食べることが多い食材ですが、授乳中は体調が変化しやすいため、食中毒への注意が必要です。生あわびに付く細菌(腸炎ビブリオなど)は、新鮮な状態であればリスクは低いものの、鮮度が落ちた生貝は食中毒のリスクが高まります。生あわびを食べるときは鮮度の高いものを選び、購入当日に食べきってください。鮮度が不安なときは加熱調理(煮物・蒸し物など)に切り替えると安心です。加熱してもコレステロール量は変わりませんが、タウリンや水溶性ビタミンは煮汁に溶け出すため、あわびを煮た煮汁を汁物として使うと栄養の無駄を減らせます。

生あわびは新鮮なものを選び、購入当日に食べきること。鮮度が不安な場合は加熱調理に変えて安全に食べましょう。

授乳中の「あわびの肝」に含まれる注意成分

あわびの肝(内臓)には、光線過敏症を起こすことがある物質(ピロフェオホルバイド)が含まれる場合があります。この物質を大量にとると、皮膚が日光に過敏に反応することがあり、特に春(産卵期前後)のあわびの肝に多く含まれるとされています。授乳中は体調が変化しやすいため、あわびを食べるときは肝の部分を多量に食べることを避けると安心です。貝柱・足の部分を適量食べる分には心配は少ないですが、肝を好んで大量に食べる習慣がある方は控えめにしましょう。

母乳を通じた成分移行と赤ちゃんへの影響

あわびの成分が母乳を通じて赤ちゃんに移り、悪影響を与えるという特別なリスクは、現時点では報告されていません。たんぱく質は消化・吸収の過程でアミノ酸に分解されてから母乳に移るため、あわびのたんぱく質がそのままアレルゲンとして母乳に移ることはほとんどありません。ただし赤ちゃんに貝類のアレルギーが疑われる場合は、授乳中のあわびについてアレルギー科の医師に相談してください。

あわびの貝柱・足の部分は授乳中も食べられます。肝の大量摂取は避け、1回の量は100g程度を目安にしましょう。

授乳中においしくあわびを楽しむための食べ方

あわびを授乳中に食べるなら、栄養を活かしつつ安心して楽しめる食べ方を選びたいところです。

栄養を生かした加熱調理の選び方

授乳中のあわびの食べ方としておすすめなのは、蒸しあわびや煮あわびです。蒸し調理はタウリンや水溶性ビタミンの損失が少なく、消化にもやさしい方法です。煮あわびにする場合は、煮汁にタウリンや水溶性ビタミンが溶け出すため、汁ごとお吸い物にすると栄養の損失を抑えられます。蒸しあわびに少量の醤油と柚子絞り汁をかけるシンプルな食べ方は、塩分を抑えながらあわびのうまみを楽しめる方法です。

1回に食べる目安量と頻度

あわびは高価な食材でもあり、一度に大量に食べる機会は少ない食材です。1回あたり100g(中サイズのあわび1枚分程度)を目安にすると、たんぱく質や鉄分を無理なく補えます。あわび自体に食塩相当量が100gあたり約1.1g含まれるため、味つけの塩分と合わせて考えると安心です。授乳中は全体の食事バランスが大切なので、あわびを食べる日は他の脂質の多い食材(牛バラ肉・揚げ物など)を少なめにすると、全体のバランスが整います。

おせちでの食べ合わせと塩分管理

おせちにあわびを取り入れるときは、塩辛い料理(数の子・田作り・煮しめ)との重なりに注意してください。あわびのお造りやお吸い物だけでも、だし・醤油・みりんを使えば食塩相当量が1〜1.5gになることがあります。あわびを食べる日は醤油を直接かけず、ポン酢や柚子汁などを使うと、塩分を抑えながら料理の風味を楽しめます。授乳中の食塩目標量は1日6.5g未満(日本人女性の目標値)なので、おせちの日は特に塩分の合計を意識してみてください。

まとめ:授乳中のあわびは適量と鮮度管理が安心のポイント

あわびは高たんぱく・低脂肪で、鉄分やタウリンを含む食材です。コレステロールは100gあたり110mgで、現在の食事摂取基準ではコレステロールの上限値は設定されていないため、適量であれば授乳中に特別控える必要はないと考えられます。

注意したいのは生あわびの鮮度管理と、肝(内臓)の大量摂取です。生で食べるときは購入当日に新鮮なものを食べ、肝は少量にとどめれば安心して楽しめます。赤ちゃんに貝類アレルギーの兆候がある場合は、アレルギー科への相談を優先してください。授乳中の体と赤ちゃんの栄養を支える食事として、旬のあわびをバランスよく取り入れてみてください。

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