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妊娠中の海藻こんにゃく、ダイエット食品として使っても大丈夫?注意すべき点とは

妊娠中の食べ物

この記事は栄養士によって監修されています

この記事を監修された先生

中村あゆみ先生

中村 あゆみ 先生

東京農業大学応用生物科学部卒業。食品企業での勤務経験を経て、都内保育園で栄養士として従事。妊娠中のお母さんへの栄養相談や食育活動に携わる。現在は茨城県内のこども園で子供たちの食育指導や献立作成を担当。茨城県栄養士会所属。

中村先生の詳細プロフィール

妊娠中、体重管理のために「低カロリーな食品を取り入れたい」と考えるプレママは少なくありません。

そんなときに目にする機会が多いのが、海藻こんにゃくではないでしょうか。

ダイエット食品として親しまれ、腸活にも役立つといわれていますが、妊娠中に食べても大丈夫なのか、ヨウ素のとりすぎにならないか、気になる点も多いはずです。

この記事では、海藻こんにゃくの栄養成分から妊娠中のめやすの量、上手な食べ方まで、順番にお伝えします。

海藻こんにゃくとはどんな食品?

わかめや昆布などの海藻を練り込んで作られたのが「海藻こんにゃく」です。見た目が緑や褐色がかっていて、スーパーのこんにゃくコーナーでよく見かける商品です。まずは、こんにゃくと海藻それぞれの特徴から確認しておきましょう。

こんにゃくの基本成分と栄養

こんにゃくの主な原料は、コンニャクイモからとれる「グルコマンナン」という食物繊維です。グルコマンナンは水分を吸って膨らむ性質があり、少量でも満腹感を得やすくしてくれます。

カロリーは100gあたり約5kcalととても低く、脂質もほとんど含まれていません。栄養値の出典は食品成分データベース(文部科学省・こんにゃく 板こんにゃく)です。こうした性質から、妊娠中の体重管理に取り入れたいと考えるプレママが多い食品です。

ただし、こんにゃく単体では栄養が偏りがちです。食物繊維は含んでいますが、たんぱく質・ビタミン・ミネラルはほとんど含まれていないため、食事のバランスを整える脇役として取り入れるのが向いています。

こんにゃくには「こんにゃく粉を使ったもの」と「生芋こんにゃく」があります。生芋こんにゃくのほうが食物繊維や栄養素が多く残っているとされています。

こんにゃくに含まれるグルコマンナンは水溶性食物繊維の一種で、腸内環境を整える働きや、血糖値の急な上昇をゆるやかにする働きが期待されています。食後の血糖が気になる妊婦さんにも注目されている食品です。

海藻を混ぜることで変わる栄養価

こんにゃくに海藻を練り込むことで、いくつかの栄養素が加わります。わかめを加えた場合には、わかめに多いカルシウム・マグネシウム・食物繊維に加え、ヨウ素(ヨード)が含まれるようになります。

ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になる微量栄養素です。妊娠中は赤ちゃんの発育にもヨウ素が必要とされており、適切な量をとることが大切とされています。

また、海藻に含まれるアルギン酸(ぬめり成分)も食物繊維の一種で、腸の中の不要なものを吸着して外に出す働きが期待されています。海藻こんにゃくはこんにゃく単体よりも食物繊維の種類が多く、腸活の面でも取り入れやすい食品です。

ただし、加える海藻の量は製品によって違うため、ヨウ素の量も商品ごとに差があります。買うときは原材料名で何の海藻が使われているかを確認するとよいでしょう。

海藻こんにゃくのヨウ素含有量と他の食品との比較

ヨウ素は甲状腺ホルモンをつくるのに必要な栄養素ですが、とりすぎると甲状腺の働きに影響することがあります。妊娠中は特に敏感になりやすい時期のため、含有量のめやすを知っておくと安心です。

下の表は、代表的な海藻・海藻加工食品のヨウ素含有量のめやすです。

食品 目安量 ヨウ素含有量のめやす
真昆布(乾燥) 10g 約2,000〜2,700μg
カットわかめ(乾燥) 5g(戻すと約30g) 約470μg
生わかめ 30g 約48μg
わかめ入り海藻こんにゃく 100g 約20〜80μg(製品による)
普通のこんにゃく 100g ほぼ0

(参考:文部科学省 日本食品標準成分表をもとに作成)

海藻こんにゃくのヨウ素量は、使っている海藻の種類と量によって大きく変わります。昆布を多く使った商品はヨウ素が多めになりやすく、わかめが少量混ざっているだけの商品は比較的少なめです。

妊娠中に海藻こんにゃくを食べる際のポイント

適量であれば取り入れやすい食品ですが、妊娠中ならではの注意点もあります。ヨウ素のとり方と食物繊維のとり方を中心に確認しておきましょう。

妊娠中のヨウ素摂取量の目安

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、妊娠中のヨウ素の推奨量は1日250μgとされ、通常の食事(魚介類や乳製品など)から十分にとれることがほとんどです。一方で耐容上限量は1日2,000μgとされ、この量を続けて超えると甲状腺の働きに影響が出ることがあるとされています。

※参考:日本人の食事摂取基準(厚生労働省)

海藻こんにゃくを1日に1パック(100〜200g程度)食べる場合、ヨウ素の量は多くても100〜160μg前後と考えられます。これは耐容上限量の1割以下です。毎日1パック程度であれば、ヨウ素のとりすぎという点では心配しすぎなくても大丈夫です。

ただし、同じ日に昆布の佃煮・わかめのみそ汁・のりなどをたくさん食べると、合計のヨウ素量が増えることがあります。海藻類の合計を意識しながら食べるとよいでしょう。

日本産科婦人科学会も、毎日大量に昆布を食べるのでなければ神経質になりすぎなくてよい、という考えを示しています。ふだんの食生活の範囲であれば、取り入れやすい食品です。

※詳しくは日本産科婦人科学会のQ&Aをご覧ください。

食物繊維で便秘対策できる?

妊娠中はホルモンの変化で腸の動きが鈍くなりやすく、便秘に悩むプレママが多くいます。こんにゃくのグルコマンナンや海藻のアルギン酸は、水溶性食物繊維として腸内環境を整える働きが期待されています。

こんにゃくは100gあたり約2.2gの食物繊維を含み、妊婦に推奨される1日18g以上の食物繊維をとる助けになります。

ただし、食物繊維を急にたくさんとると、かえって腸に負担がかかったり、ガスがたまりやすくなったりすることがあります。妊娠中は消化器も敏感になりやすいため、最初は少量から始め、体の様子を見ながら量を調整してください。水分も一緒にとることが、食物繊維の働きを助けるポイントです。

妊娠中の便秘は、放っておくと痔やおなかの張りにつながることがあります。こんにゃくなど食物繊維を取り入れながら、こまめな水分補給も心がけましょう。

注意したい成分と食べ過ぎについて

海藻こんにゃくで気をつけたいのが塩分です。こんにゃく自体に塩辛さはありませんが、味付きの海藻こんにゃく(醤油味や塩味のたれ付き)は塩分を多く含むことがあります。

妊娠中は妊娠高血圧症候群のリスクを下げるためにも、1日の塩分を適切な範囲に抑えることが大切です。たれや調味料の塩分が気になる場合は、量を加減してください。

また、こんにゃくは消化しにくい食品のひとつです。胃腸の働きが落ちやすい妊娠中は、一度にたくさん食べると胃もたれや消化不良につながることがあります。つわりで胃が弱っている時期は、こんにゃくの消化に負担を感じることがあるため、体調に合わせて量を調整してください。

昆布を多く使った海藻こんにゃくは、ヨウ素が多めの場合があります。他の海藻料理と重なる日は、量に気をつけて食べましょう。

妊娠中の海藻こんにゃく、上手な食べ方

安全性とポイントを押さえたうえで、妊娠中の食事にどう取り入れればよいか、具体的な方法をお伝えします。

1日の目安量と食べるタイミング

海藻こんにゃくの1日のめやすは、1パック(100〜200g程度)を1回食べる程度です。毎日食べる場合も、この量にすることで食物繊維を取り入れながら、ヨウ素や塩分のとりすぎを避けやすくなります。

食べるタイミングは、食事と一緒か食前がおすすめです。こんにゃくは水分を含んで膨らむため、食事の前に食べると満腹感を先取りでき、食べすぎ防止に役立ちます。ただし、これは食欲の調整のひとつであり、妊娠中は必要な栄養をしっかりとることが第一です。

週に3〜5回程度、夕食や昼食に取り入れるくらいのペースが無理なく続けやすい使い方です。毎日食べなければならないものではなく、気になったときに取り入れる程度で十分です。

体重管理に取り入れるときの工夫

妊娠中の体重管理は、多くのプレママにとって気がかりなテーマです。海藻こんにゃくは低カロリーで食物繊維を含むため、体重管理に取り入れたいという声もよく聞かれます。

ただし、妊娠中は赤ちゃんの成長に必要な栄養をしっかりとることが第一です。海藻こんにゃくでカロリーを大きく制限しようとする食べ方は避けてください。

取り入れやすいのは、ごはんやパスタなどの主食を減らすのではなく、サラダや副菜の一品としてプラスする方法です。酢の物にこんにゃくを加える、煮物に海藻こんにゃくを入れるなど、いつもの料理に足す形にすると、カロリーを意識しながらも栄養バランスを保ちやすくなります。

こんにゃくをよく噛んで食べると満足感が高まります。早食い防止にもなり、食べすぎを防ぐのにも役立ちます。

妊娠中に食べやすい調理法

海藻こんにゃくは独特のにおいが気になる方もいます。妊娠中はにおいに敏感になりやすいため、下処理をしっかり行うことが大切です。熱湯でさっとゆでるか、塩もみして洗い流すと、においが和らぎます。

調理法は、さっぱり系が食べやすくなります。ポン酢や酢みそで和える「和え物」、出汁で煮た「煮物」、わかめと合わせた「酢の物」などがおすすめです。

塩分を控えたい方は、レモン汁・梅干し・かつお節など、塩分の少ない調味料で味付けすると、塩分控えめでも満足感のある一品になります。食感を楽しみたいなら、ステーキ状に切ってフライパンで焼く方法も人気です。食欲が落ちやすい妊娠初期には、冷やしてさっぱり食べる方法も試してみてください。

まとめ|海藻こんにゃくは適量なら妊娠中の食事に取り入れやすい

妊娠中に海藻こんにゃくを食べることは、適量であれば過度に心配する必要はありません。低カロリーで食物繊維を含むこんにゃくに、海藻のヨウ素やミネラルが加わった食品として、妊娠中の便秘対策や食事のかさ増しに取り入れられます。

気をつけたいのはヨウ素のとりすぎです。昆布を多く使った製品を、他の海藻料理と重ねてたくさん食べ続けることは控えると安心です。1日1パック程度(100〜200g)の範囲であれば、ヨウ素量も耐容上限(2,000μg)の1割以下に収まりやすくなります。塩分については、味付き製品の調味料に気をつけ、妊娠中の適切な量を意識してください。

「食物繊維をとりたい」「低カロリーな食品を取り入れたい」というときに取り入れやすい食品ですが、栄養バランスの整った食事の中の一品として使うことが大切です。赤ちゃんに必要な栄養をしっかり届けながら、海藻こんにゃくを上手に取り入れてみてください。

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